1 / 5

第1話

俺、白原 光(しらはら ひかり)は、とある会社で働いている。 仕事だらけの日々を送って、いつかは明るい家庭を作る それが俺の未来予想図だった。 だか、それをはるかに上回る奴が俺のところに来た。 「これからここで働くことになりました! 黒木 深弦(くろき みつる)と言います。宜しくお願いします!」 顔は中の上、背は190ぐらいってとこか…。俺と20cmくらい差があるがまぁ良い。 ガタイも良いし、高校とかでバスケとかしてたかもな。 あと、モテそうな性格だし相当高校でモテただろうな。 そんなことを思っていると、目が合った。 その目はとても鋭くてなにか思っていそうだった。 しかし、瞬きをした瞬間その目は嘘だったかのように優しい目と変わった。 気のせいだったか、或いは錯覚か。 まぁ、どうだっていい。 どうせ、“可愛い後輩”に過ぎないのだから。 「黒木、と言ったか。俺は白原 光。それでここの部長だ。何かあったら俺に聞いてくれ」 その後、黒木を連れて社内を歩き回った。 「ここが資料室で、ここが昼食を摂る休憩室、そしてここが会議室だ。他に行ってない場所は……地下の倉庫だな」 俺は、速く仕事を終わらせて家でゆっくりしたいと思い、急ぎ足で倉庫へ向かった。 (そういえば、黒木の足音が聞こえないな。 女子のうるさい甲高い声が聞こえるだけだ…。) そう思い、後ろを振り返ると女子がキャーキャーと黒木を取り囲んでいた。 黒木は、王子のようなスマイルで女子に微笑んでいた。 俺は、急いで黒木の方へ行き 「おい!早くしろ。時間が無いんだ。」 と、女子に取り囲まれていた黒木の腕を引っ張ってその場を後にした。 「ここが最後の倉庫だ。いろんなものが数多くあって無断でここから持っていくと、クビになる可能性が大幅にある。だから、絶対に無断で持っていくなよ。」 午前中に黒木を案内し終わり、午後は部長として働いた。 早く終わらせて、定時には帰ろうと思っていた。 だか、一人の部下が失敗を犯しそれを直す羽目になった。 暗い部屋で、一人。 パソコンに向かってキーボードを叩いていた。 すると、どこから現れたかは知らないが 黒木が机の前に立っていた。 ビックリして黒木の方を見ると 顔がとても近くにあった。 顔を背けたら、「白原さん」と呼ばれて 黒木の方を見ると いきなりキスをされた。 「ンッ…?!ちょっ…待っ……、フゥ……ハァ」 ビックリして突き飛ばした。 「すみません、俺。 初めてあった時から白原さんが好きです。」

ともだちにシェアしよう!