2 / 5
第2話
“すいません、俺。
初めてあった時から白原さんが好きです。”
「……え?ちょっと待って。
俺、男だよ???」
「知ってます。男ってことも、……あと、俺みたいな同性が苦手なことも。全部知ってます。」
「え?なんで、俺が男が苦手なこと知ってるの???誰にも言ってないはずなのに…。」
「なんでって言われましても…。」
「ねぇ?なんで?なんで知ってるの?このこと誰かに言った?お願い…お願いだからバラさないで…。何でも言うこと聞くから…お…ねが…ハッ…ッッ…だ…からッ…」
「えっ!?ちょっ、まさか過呼吸!?
白原さん、ちゃんと俺の言うとおりにして
吸ってー、吐いてー。ゆっくりでいいから」
「…ッ…ハァッ…ッ…ウゥ…」
しばらくして、過呼吸も気持ちも落ち着いた。
「ごめんな。急に泣いちゃって、しかも過呼吸にまでなって…。」
「大丈夫ですよ。あの時のこと、やっぱり…。」
「やっぱりってどういうこと?
そうだ。なんで男が苦手って知ってたの?」
「白原さん、覚えてないんですか?俺、高校の時の後輩ですよ。ほら、青山って居たじゃないですか。あれ、俺ですよ。」
「え?……あ!思い出した!同じバスケ部で、良く俺と1on1してた奴!
名前も見た目も違くて、誰かわからなかったよ。深弦、カッコよくなったね。」
「ッッ…/// それ今言います?
俺、白原さんのこと好きだって言ったばっかですよ?」
「し、知ってるし!でも、俺は…。」
「やっぱり、無理ですよね。大丈夫ですよ。誰かにバラしたりとか、しません。だって、これ以上白原さんを傷つけたくないですから。」
微笑んで言う深弦の顔を見ると、カッコイイなと不意に思ってしまった。
「じゃあ、俺帰ります。また、明日。早く、それ終わらせてゆっくり休んでください。」
「え?ああ、うん。また明日。」
深弦が帰ったあと、仕事を終わらせ、家へ帰った。
風呂に入ったあと、ビールを飲みつつ、考えた。
(なんで、あいつ。急にキスしたりしてきたんだろ。男は、嫌いなのに、怖いのに…。あいつだけは、怖くなかった。何でなんだろ。)
「あー。もう考えるだけで疲れる。早く、寝よう」
そして、深い眠りについた。
ともだちにシェアしよう!