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第3話

ピピピピッ ピピピピッ 朝、目覚まし時計の音で目が覚める。…朝は嫌いだ。 俺は眠たい体を起こして、ベットから降りた。 「ふぁぁ…ふ。おはよう、ムーン。」 俺は、ムーンという猫を飼っている。 黒色の整った毛、青と黄色のオッドアイのロシアンブルーだ。 「よし、起きるか。」 1LDKのマンションに住んでいる。部屋はまあ、綺麗なほうだ。少し潔癖症だ。 朝食を食べ終わり、ムーンにも餌をやり、仕事場にむかった。 俺は、早めの電車に乗った。 いつもは、車なのだが、以前タイヤがパンクして使えなくなった。 電車通勤はあまり好きではない。 だって、ほぼ毎回のように痴漢されるから。 今日だって来た。 「ハァ…今日も可愛いね…ハァ…ハァ…。」 気持ち悪い。やだ。怖い。 涙と気持ち悪さに耐えていたら、急にそれがなくなった。 ビックリして後ろを向くと深弦がいた。 「大丈夫ですか?白原さん。」 「え?なんで、深弦がここに…?」 「早く会いたくて、早めの電車に乗ったら、白原さんが見えたんで。」 うれしかった。いつも、怖くて会社までずっと我慢してた日々が無くなって。 「ありがと…。ずっと怖かった。やっぱり深弦はカッコイイよ。ちょっと、惚れたかも…。」 「…。それ、今言います?クソ恥ずかしいんですけど。」 「や、やっぱ今のは無しで…。」 「無しなんですか。早く好きになってくださいよ。俺はこんなにも好きなのに…。」 (あああッ…!その顔反則!カッコよすぎ。) そんなこともあってか、深弦は俺のそばから離れなくなっていた。 朝や夜の電車の時はもちろん、トイレなどのときも離れることは無かった。 「黒木!なんで犬みたいに付いてくるんだ?!俺は大丈夫だって。」 「だって、白原さん。俺以外とあまり同性と話したりしてないし、あと、この前聞いたんですけど、白原さん、結構同性にモテてますよ。」 「…え?なんで?」 「なんか、泣きボクロがエロいとか、顔が可愛いとか、時々笑った顔が可愛いとか。 よくそんな話、耳にするんで、いつかは白原さん、襲われますよ?」 「可愛いくなんかない。もう、襲われたくない。」 「充分可愛いですけどね。襲われた時は俺を呼んで下さい。必ず助けに行きます。」 「なんで?そんなことまでしてくれるの?俺、まだ、お前の気持ちに応えられてないのに…。」 「好きだからですよ。高校の時からずっと」

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