4 / 5
第4話
高校からって、結構昔…。
5、6年くらいだよな。
それからずっとって。
え!?それって俺が、トラウマを抱えた時ぐらいってことだよな。
そうだ。高校の時、バスケ部にトラウマのこと言ったな。
それで、しってたのか。
「俺、白原さんが俺のこと好きって言うまで手とか出したりしません。」
「俺、同性は無理だけど、深弦ならその、…キス…とか嫌じゃなかった。」
「脈アリって受け取っていいんですか?」
「………うん。い、いよ。」
「白原さん。仕事が終わったあと、話があるんでちょっとだけ時間いいですか?」
それだけ言い残して、深弦は自分の席へ戻っていった。
話ってなんだよ。なんか、悪いことしたっけ?
とりあえず、仕事終わらせよう。
ふと顔を上げると、深弦は楽しそうに女の子と話していた。
なぜか、心がモヤッとして、俺だけ見てくれればいいのにな…。と思った。
(なんで今、モヤッとした?あと、俺だけってどういうことなんだ?)
何でだろ?と思っていたら、深弦と目が合った。
恥ずかしさで目を逸らした。
逸らした後、顔が熱くなるのを感じた。
(いやいやいや、なんで顔が熱いんだ?!ただ、深弦と目が合っただけだろ?!なんで、俺。あいつのことばかり頭の中に浮かぶんだろう。もしかして…。いやいや、無い!絶対ない…と思う。)
迷っていたら、ダメだ!ちゃんと仕事やらなきゃ!
ーーー
仕事が終わって、ピッタリ定時のとき。
今日は、金曜日だったため、ほとんどの人は帰っていった。
残っているのは俺と、深弦の2人だけ。
「それで?話ってなんだよ?」
「いや、俺。自分ばかり白原さんを好き好き
言ってて白原さんの気持ち、あんまり聞いてないなって思って…。」
「ッ…!た、確かにな。でも、今じゃなくても…」
「俺は、今がいいんです。俺のこと、好きになってくれましたか?」
「嫌いではない。でも…」
「でも?」
「ほかの人と、特に女子と話していたり、少しだけモヤってするし、なんか嫌だ…。俺だけ見てくれればいいのになって思ったりして、これってなんていう気持ちなの?」
「それって、好きってことですよ。俺も、ずっとその気持ちでしたから。」
「え?好きって、俺が深弦のことを?」
「そうですよ。やっと振り向いてもらえた。
ずっと好きです。俺と付き合ってください」
「…そんなの、“はい”にきまってるよ。
俺も深弦が好きだ。
…えっと、そのよろしくな。これからも」
「はい!任せて下さい!
白原さんは俺が守ります!」
ともだちにシェアしよう!