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第1話 - ①
恩返し?
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ピンポーン…
と、ボロアパートの部屋に響き渡るチャイム音
「こんな遅くに誰だよ?」
仕事が終わったのが8時過ぎ
コンビニに寄って家に帰ったのが9時をちょっと回った所だったりして
こんな時間に訪ねてくる友人はいない
宅配かな?
と、ゆっくりとドアスコープを覗いて見れば
(あれ?真っ暗……?)
何も映さないドアスコープに
おかしいと思いながらも
安全第一ドアチェーンも付けているし…
そう思って扉を開けたのが
「え゛ッ!?」
運の尽きだった
ガガンっ
と、突然扉から発せられる衝突音と、開いたドアの隙間にすかさず差し込まれた手と足
そして
「さっさと開けて下さい。
まったく、呼び鈴が鳴っても人を待たせるなんてその耳、機能しているんですか?」
「え、え?」
理解出来ない恫喝
なんのこっちゃか分からない俺の目に映った人物は
黒いスーツ
黒い髪
黒ぶちメガネの全身黒ずくめの男がドアチェーンの隙間から俺を見ていた
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