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誰だこいつ? 視線が合うと ニッコリと微笑む男の笑顔が眩し過ぎて、不覚にも男にドキッとさせられる 「っえ、えーと…」 ドアの隙間からとは言え、見れば見るほどイケメン 眼鏡を掛けてようが掛けていまいが、凛々しい顔立ちだとハッキリと分かる 年は20代前半ぐらいか 知り合いでもないそんな男に、どう切り出そうか迷っている俺に聞こえてきたのは 「え?じゃないですよ。馬鹿っぽい顔して本当に馬鹿なんですか?冗談は顔だけに……ああ、でも元からそんな顔だと仕方ないですね。とにかく開けて下さい」 辛辣な言葉の数々だった 「……なっ、な、な、何なんですかあんた、人に対して……あっ! おおお、俺、お金なんて借りてませんよ?」 「お金ですか?くくっ、安心して下さい。 取立て屋では無いですし、もし仮にもそうだとしたら返事聞かずに勝手に開けてます」 「じゃ、じゃじゃじゃ、ししし、新聞なら間に合ってますから、帰って下さい!!」 「だから、勧誘でもありませんよ。それにしても取立て屋にしろ勧誘にしろ、低脳な考えしか浮かばないなんて可哀想な人ですね。 それよりも、私はここを……」 「ひっ!」 ドアがメキメキと軋み上げる チェーンからも金属が擦り合う耳障りな音が聞こえ始め その音の出どころは男の掴んでいる部分から 近所迷惑なんてなんのその 頑丈な扉が有り得ない音を立てて 終いには 「開けて下さいと言ったんです!」 「ひ、ひぃいいい!」 ドアチェーンが素手で引き千切れるのを初めて見ました

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