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「えーと、今月の家賃は払っているはず、ですけど…」 「いや、家賃じゃなくてね…そのね、なんと言うか…お願いが…」 家賃じゃない? だったらなんだろう そして、ものすごく歯切れが悪いこの感じ どう伝えようかと思案しているのが見て取れる 「うーん、ほらこのアパート古いから、壁が薄くて…そこは申し訳ないんだけど……」 「は、はい…」 「なのでね…その声が…」 「え、えーと…はい?」 「周りに聞こえるって…その、夜のね…。気分を害してしまったら申し訳ないけど、それでも少し気にして貰えるとありがたいんだけど…」 「は、はい…え?」 田中さんが言いづらそうに、言葉を選んで話してくれているのは分かった で、結局の所なんでしょう?と言おうとした時 後ろから腕が伸び出て来て… 「すみません、玲二さんは頭が弱いので言いたい事をハッキリ伝えないと分かってくれないんです。とにかく脳みそが鳥よりも小さくて、可哀想な人なので…」 「うわっ、ちょっ、ニキ何してんだお前っ」 俺を馬鹿にしながら、目の前に田中さんが居ようが関係なしに 後ろから抱きついてきた

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