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「お、おおお、お前ッ、邪魔するなって。今、田中さんと喋ってるんだからっ、ちょっ、早く離れろぉおおお」 「その田中さんの言いたい事を、1ミリも分かってあげない察知能力ゼロの玲二さんには荷が重すぎです。私が代わりますので、静かにしていて下さい」 「はぁあああ!?」   ニキの腕の中で暴れてもガッシリと力を込められて抜けれない しかも離す気配はさらさら無いようで、左腕を腰に回し、ホールドして来る始末 「えー、えーと、お友達が来ていたのに、そんな時にお邪魔しちゃって悪かったね」 「いえいえ、とんでもないです。それでさっきのお話しですが、端的に言って、玲二さんの喘ぎ声が響き渡って迷惑している方がいらっしゃる、そうですよね?」 「へ?喘ぎ…ぇええ!!?ニニ、ニ、ニキ何言って…」 「シナプスが死滅している玲二さんにも分かる様に言えば、私の下で馬鹿みたいに気持ち良くなって腰を振っている玲二さんの声が、皆さんに筒抜けなんですね?」 突然現れたニキに、そして俺にくっついて離さないこの状態に驚いた様子を見せた田中さんだったけど 言わんとしている事を代弁したニキにうんうん、と大きく頷く 「本当にすみませんでした。玲二さんの事はあとで責任持って私が躾けますので」 「いや、騒音トラブルは良くある事だから」 「玲二さんの声は一段と煩いですからね。語彙力が無いので、馬鹿を隠す為、声の大きさでカバーしているんです」 田中さんに向けてあくまで低姿勢を貫き、シレッと俺を悪者にするニキ しかも何度も馬鹿、馬鹿と… ここに住んでいるのは俺であって、でも俺を無視して2人で話しが進んで行くのを、間に挟まれ見ているうちに 段々と腹が立ち… 「ニキさんは安倍さんと仲が良いんだね。若いのにしっかりしているから、年上の人とも話しが合うのかな」 「いえいえ、玲二さんの精神年齢が小学生レベルなので、合わせるのが大変ですよ」 ブチンッと堪忍袋の緒が切れた

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