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第7話

(殺す。ぜってー殺す)  視界が戻ってきたおかげで、不安定だった心が僅かに活気を取り戻す。こんなことをして無事で済むと思っているなら大間違いだ。  これから伊織が何をするかはだいたい察しがついている。なぜなら、だいぶ造形は違っているが、彼が浮かべている表情は、義父が過去に見せたものと同じ欲情を纏っているから。 「そんな目で見るなよ」 「うぅっ」  ハサミを置いた伊織が手にした瓶のふたを開いた時、臀部をさらけ出していることに気付いた航太は小さく呻いた。冷静にならなければと考えはするけれど、もともと短気で自制がきかない性格ゆえに、無駄な抵抗と分かりながらも航太はまたもや暴れだす。 「まだ分からないの? ホント、航太は馬鹿だな。ただ気持ちよくなるだけだから、おとなしくしてな」 「ゔうっ……んっ!」  瓶からトロリとした液体を右手に垂らして馴染ませた彼は、呆れたようにそう言ったあと、航太の頬を左手で打った。歯を食いしばって堪えるけれど、次の瞬間見えた光景に今度は瞳を大きく見開く。 「う、ううっ! はにひへんは!」 『なにしてんだ!』と叫ぶけれど、彼は行為を止めはしない。萎えたままの自分のペニスを口へと含んだ彼の姿に、幼い自分のペニスを舐めた義父の姿が重なって……予測していたことのはずなのに、強烈な吐き気を催した。 *** 「やっ……やだっ!やめ……やぁ!」 「はいはい、大丈夫だから」  かなりのトラウマだったのだろう。フェラをしただけで吐いた航太の胃液を頭に被った伊織は、仕方なく行為を止めて彼の拘束を全て解いた。  逆流した嘔吐物で喉を詰まらせてしまわぬよう、口枷も手早く外してやると、咳込んでいる航太の衣服を裂くようにして脱がせてから、左右それぞれの手首と足首を纏めて紐で拘束する。  多少抵抗はされたものの、航太のペニスを掌で軽くはたいた途端、悲鳴をあげた彼の体はガクガクと震えるだけになった。 「綺麗にしような」  背中をトントンと軽く叩き、耳元へ低く囁きかける。 「抱っこするけど、噛みついたりしたら潰すから」  萎えたペニスを掌で握り伝えると、小さく頷き返しながらも、反抗的な瞳でこちらを睨むから……伊織はますます高揚した。

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