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第8話

??「今、それを聞いてたんだ。」 ??「それ聞く前にきちんと自己紹介したの?困ってるみたいだけれど……」 ??「してねぇーけど。俺のこと知らないやつなんていないだろ?」 ??「1年生なら知らないかもしれないじゃない!   知らない人に、お前は誰?っていきなり聞かれて答える人はいないわ!」 確かにその通りだ。いきなり、聞かれて答えるなんて、すごく不用心だし。 そして、なっちゃんってのが本当に那月兄かわからないし……… 奈々「聞くなら、まずは自分から!   ってことで、私からいくね。私の名前は七草 奈々(ちぐさ なな)   3年生よ。 ほら!きょうくんも!」 響也「はいはい。わかったよ。さっきから、すまなかったな!   俺の名前は黒須 響也(くろす きょうや)、2年生だ。よろしくな!    ってことで、そっちも自己紹介頼むわ。」 頼むと言われても、どうしたらいいんだろ…… 悠陽くんを見ると「おさきに、どうぞー」と言われてしまった。 とりあえず、先輩たちと同じように名前と学年だけ言おう。 零 「僕は、1年の四ノ宮零です。」 悠陽「俺は、同じく1年の村川悠陽だ………です。」 先輩たちは、僕たちの自己紹介を聞いて、少し笑った。 ん?!へんだった?! そして、悠陽は敬語が苦手なのだろうか? なぜか、ぎこちない。 響也「苦手なら使わなくていいぜ、敬語。」 悠陽「あっ、そうすかっ!ありがとございまーす。」 奈々「そういえば君、名字は四ノ宮だったわよね……   ってことは、やっぱり………君はモモリンの弟くんなのね!」 響也「なっ!言っただろ!」 あっ、バレた…… どうしよー…… やっぱり、響也先輩が言ってたなっちゃんって那月兄なんだよね。 兄さんたちと仲が良いみたいだし、わるいひとじゃないよね。 零 「はい。お二人は、百兄と、那月兄の知り合いでしたか?」 奈々先輩と響也先輩から聞いたことをまとめると……… 響也先輩は那月兄の友達。というか、中学の同級生で腐れ縁みたいなものなようだ。 奈々先輩は学年は違うが、百兄とは仲が良いらしい。 そして、4人とも同じ委員会?に所属している。 僕は、理解したが悠陽くんはあまり理解できていないようだ。 まぁ、仕方がないか…… 悠陽は、兄さんたちのことしらな………… うっ、兄さんたちのこと考えたら、さっきのこと思い出しちゃったよ… 響也「おっ、おい!零、お前大丈夫か?顔が赤いけど」 ぅゔ、どうしよう。とりあえず、今はあれのことは忘れよう。 零 「は、はい。だ、大丈夫です!」 響也「ならいいんだが、それより………」 奈々「そういえば!なんで、2人はずっと手をつないているの?」 響也が何か言おうとしたが、奈々によりさえぎられた。 僕と悠陽は、突然の質問に一瞬意味がわからなかった。 「「……………あっ!」」 僕は悠陽の手を握っていることを忘れていた……… この様子からすると、悠陽も忘れていたのだろう。 お互いに慌てて手を離した。

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