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第三章・4

「青菜……」 「や、ちょ、待っ! 芳樹さん、やっぱり待って!」  そう言う間にも、青葉は身をよじり、芳樹の腕の中から脱出を図っている。 「恥ずかしいんだな? 大丈夫、優しくするから」 「初めてなんです」 「え?」  あの、えと、その、と、芳樹は青葉に問うてみた。 「つまり、その、君は。ホントに初めてなの? キスも、セックスも」 「……」  薄暗くても、その顔は赤くなっているのだという事は仕草で解かる。 「あ~、もしかして。まさか、自分で抜いた経験も無い、とか?」 「自分で? 抜く?」  こうやって、と芳樹は片手で扱く真似をして見せた。  青葉はすっかり両手で顔を覆ってしまって、弱々しく首を横に振るだけだった。 「そんな……、はしたないこと……、できるわけが……」 (かッ、可愛い!)  うつむく青葉を前に、芳樹は酔った勢いも手伝って本気で口説きにかかっていった。

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