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第十二章・4

 そっと額に手のひらが置かれる感触で、芳樹は目を覚ました。 「具合は、いかがですか?」  柔らかな、青葉の笑顔。  芳樹はその手のひらを取ると、にっこり笑った。 「ずいぶん、いいよ。ありがとう」 「夕食、準備してありますが。食べられそうですか? 食欲は?」 「……また、おかゆ?」  昨日から、おかゆしか食べていない芳樹は、少し拗ねていた。 「おかゆは、卒業です。それに、今日は特別な日ですし」  クリスマスらしいディナーを作りました、との青葉の言葉に、芳樹はベッドから起き出した。 「それは嬉しいね。食べられるところまで、食べてみるよ」  ガウンを纏い、芳樹はベッドから降りた。  クリスマスらしい、とはいえ風邪っぴきの芳樹へのレシピだ。  正直、あまり期待はしていなかった。  だが、エアコンで温められたダイニングには、想像以上のご馳走が用意してあったのだ。

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