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第十二章・6
体を青葉に蒸しタオルで拭き清めてもらい、芳樹は改めてベッドに入った。
「実は、クリスマスプレゼントを用意してあるんだ」
そう言って、枕の下からくだんの小箱を取り出す。
受け取ってくれるかい、と尋ねる芳樹の顔はインフルエンザなど吹き飛ばして凛々しかった。
「喜んで。何だろう、芳樹さんがくださるプレゼントって」
「開けてみて」
包みを開いてケースを出すと、中には煌めくダイヤモンドが散りばめられたリングが輝いていた。
「こんな。こんな、高価なもの……!」
「君に、身につけて欲しいんだ」
芳樹は青葉の手を取り、それを薬指にはめた。
「結婚して欲しい。偽装じゃないよ。本当に」
「で、でも」
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