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昨日入った研究室ともカフェの様な内装とも違い、案内されたのは普通のリビングだった。 「こちらにどうぞ。」と目の前にテレビのあるソファに促されて、言われた通り腰掛けた。 いやほんとこのビル、どうなってるんだ…。 外観と内装のギャップありすぎだろ。 ちか、と僅かな光を感じた方を見ると、丁度ソファの真上には大きな吹き抜けがあった。ガラス張りになっているため、空が眺めるようになっている。腕時計を見ると19時過ぎを指していて、空は藍色染まっていた。 「このビル、ほんと凄いっすね。」 思わず心の声が漏れてしまい、しまった。と口を紡ぐ。 「他の部屋もご覧になったのですね。このビル全体がヨリヒトの物ですから、改造して自宅兼研究室にしたそうですよ。」 「え!?そうなんですか?」 「はい。見た目は古くて小汚いビルなのに、まさか中はこんな造りになってるなんて、驚きですよねえ。」 ふふふ。と彼は静かに笑った。 「ああ、すみません。申し遅れました。私カガリと申します。」 ソファに腰掛けている俺に深くお辞儀をされ、慌てて立ち上がる。 「いえ!とんでもない!僕は、ア…「アキラさん、でいらっしゃいますね?」 突然、自己紹介を遮られてぽかん。と口を開けている俺を見て、「そんなに驚かないで。」とカガリは口の端を上げた。 「以前からアキラさんの事は、存じ上げておりました。ヨリヒトとは旧知の中なのでしょう?」 「まあ、腐れ縁。の方がしっくりきますかね。」 はは、と笑いながら話す俺に「ヨリヒトと関わるのも大変ですからねえ。」と困った表情で笑っていた。 「因みに、カガリさんはヨリヒトとはどういった関係で?」 「取引先、ですかね。ヨリヒト、薬学にも長けているので よくお世話になっております。」 「な〜〜〜にが取引先だ。このヤクザめ。」 声のした方を見ると不機嫌な顔をしたヨリヒトが立っていた。

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