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ヨリヒトは、んー。なんて説明したらいいんだ。とぼそぼそと独り言をはじめる。 「えーと……、ヤクザって言っても常に一緒にいるわけじゃないさ。言ったろ?取引先だって。お互いに都合の良い時だけ使ってるようなものだよ。だから、その……。」 「アキラが心配してるような事はないから!これは本当!だからそんな怖い顔しないで〜〜!」 腰に抱きついて上目遣いで訴えかけてくる。 「そうは言っても……、いくらなんでも、ああいった奴らを相手にしなきゃいけない程、生活に困ってたのか?ヨリヒトの身に何もないなら、これ以上首は突っ込まないが……。」 そう言うとヨリヒトは、俺の腰から離れてソファに座り直す。言った後に自分の発言を後悔した。 まるでヨリヒトを見下した言い方だった。 一瞬、ヨリヒトの瞳に影ができたのが見えた気がしたが、何も言うことが出来ず自分の拳を握りしめた。 空気を変えようと気の利いた言葉を考えても、何も出てこない。もんもんとした気持ちの中、沈黙を破ったのはヨリヒトだった。 「アキラはさ、人の生活の仕方に優劣があると思う?」 「…いや。」 「俺は自分のしたい事の為に、アイツらの力が必要だった。人の道を外してる。ってよく言われるけど、夢も持たずただ惰性で生きてる奴らに、そこまで言われる筋合いはないと思ってる。」 「うん。」 「昨日は、アキラに俺の生活を理解して欲しくて呼んだわけじゃないんだ。友人として、招待したんだよ。」 「……うん。」 「だからさ、そんな見放す様な事言わないでよ"〜〜!」 うわーーっ、と泣きながら再び俺の腰に抱きついてくる。 「ごめん。俺も言い過ぎた。」と謝ると、「本当だよー!アキラしか味方居ないんだからー!」と思い切り腹の肉をつまんだ。 「いだっ!」 「ちょっとー、年齢が出てきてますぞー!」 「う、うるさいな!」 ヨリヒトの頭を叩くと「こんにゃろっ。」と両脇腹をつねってきた。そのままヨリヒトの頭を持ち上げてヘッドロックをかますと「ギブギブ!」と胸を叩く。 ひとしきり笑ったところで「そう言えば、キョウヘイの事で聞きたいことがあったんでしょ?」とヨリヒトが切り出した。

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