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「ああ、昨日キョウヘイに過去の記憶について聞いたんだ。そしたら、俺が引き取る前日まで学校に通ってたって言い始めて。それからヨリヒトの家での出来事や昔の記憶がごっちゃになったみたいで、混乱し始めたんだよ。」
昨日あった出来事をヨリヒトに話す。
「引き取る時に、キョウヘイの事何も聞いてなかったからさ、気をつける事があったら教えて欲しい。一応ロボットだろ?何かあったら大変だし。」
そう続けると、ヨリヒトは「そうだねえ。」と顎に手を添えた。
「まず、キョウヘイはロボットではない。」
「ほお、ロボット。ではない?!」
驚きのあまりソファから立ち上がると、落ち着いて落ち着いて。と肩に手を置かれる。
「そう。元人間って言い方が悪かったね。あれ、二人の人間を組み合わせて生み出したものなんだよ。」
「え、え……?まって。話が追いつかない。」
二人の人間を組み合わせただと?
ヨリヒトのやっていることが、いよいよ分からなくなってきて俺も混乱しはじめる。
「引き取ってくれたアキラには知る義務があるから、話せる範囲で話すよ。」
そう言ってヨリヒトはキョウヘイについて話はじめた。
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「と、これくらいかな。どう?他に聞いておきたいことある?」
「いや、十分だよ。ありがとう。」
一通り話を聞き終えた俺は、ふう。とため息を吐いた。
多分、今日一番のカロリーを使ったな。
伸びをしたついでに腕時計に目をやると、針は20時半を指していて飛び上がる。
しまった。20時には帰るって言ったのに…!
「うわー、もう20時半かあ。俺このままカガリのとこ行かなきゃだし、その前に飯行かない?」
外に出る準備をはじめるヨリヒトを横目に、慌てて荷物をまとめる。確かスーパーは21時までだったはず。
「ちょっと〜、聞いてる?」
「悪い。キョウヘイを待たせてるんだ。また今度な!」
えー、と口を尖らすヨリヒトに「すまん。」と片手を顔の前に合わせる。「また連絡する!」と残してヨリヒトの家を後にした。
とりあえず、今はスーパーに間に合うかどうかの勝負だ。
俺は人通りの少なくなったアーケードを、全力で駆け抜けた。
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