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綺麗な君が喰らう

 「オリベが欲しい」 僕はオリベの小さな瞳に手を伸ばした。 あの時は出来なかったけど、今回はオリベが顔を近づけてくれたからちゃんと触れられた。 「ごめんやけど……我慢できひんかもしれへん」 弱々しく言いながら、紺色のボタンを1つずつ開けていくオリベ。 「いいよ、僕は全部受け入れるから」 「お前はほんま……」 オリベは満面の笑みを浮かべて、僕の乳首に吸い付いた。 チュッ……チュッ 僕が母乳が出たらどんなにいいか、と思うくらいしゃぶりつくオリベの舌遣いに意識が飛び飛びになる。 「ああ……たまらん。もっと気持ちよくしたるな」 真っ直ぐな瞳で僕を見つめながら赤い粒を舌で転がし、大きく乳首を口に含む姿に嬌声を上げる。 「んっ、ハッ、ンハッ……んアッアッ」 楽しそうにズボンの前チャックを下ろし、僕のちんこをゆるゆると扱いてくれる。 「ほんまに気持ちええ?」 「キも……ちい、イよ」 荒い息を吐きながらなんとか言うと、ギュッと握って意地悪をするオリベ。 「楽しみはこれからや。焦らんと、じっくり、ゆっくり……な?」 不敵に笑うオリベに僕は敵うはずなく、うなずくしかなかった。  「邪魔くさいわ……もういらんやろ?」 なんて言っているうちにオリベは実習着を爪で引っ掻き、破りとる。 「これも。気持ち悪くて敵わんし」 ビリビリと裂いていくパーカーから現れたのは引き締まった胸筋と腹筋。 ますます、カッコいいよ。 やっぱりオリベは僕のもの。  「穴、ほぐしてあるから……挿れて」 僕は桃のようなお尻をオリベに向ける。 もちろん、挿れやすいように人差し指と中指で穴を広げながら。 「こんな小さいとこに入るん? イリュージョンやなぁ」 呑気に言いながら人差し指を突っ込んできてグリグリとこじ開けるオリベ。 「アアッ……ン」 「じゃあ、挿れんで?」 裸のオリベは細マッチョなのに、ペニスはムキムキと隆起していて大きい。 だから、軽く入れただけで肉壁が大きく擦れて、気持ち良さが身体に駆け巡る。 「アアアッ……ア、アッ」 もっともっとと欲しくて腰が揺れたんだ。  「俺の身体って、全部お前でできてんねんなぁ」 朦朧とした意識の中ではっきりと聞こえた。 そして、簡単に仰向けにさせられる。 薄目で見ると、かすかに赤みを帯びた髪が数億匹の蛇に変わっていた。 「俺には……シノブゥだけやで」 オリベは愛おしそうに言った後、蛇達が僕の身体の隅々まで襲いかかってくる。 ゴクッゴクッという音がもはや心地いいんだ。 僕の頭から足先まですべてオリベのものだね。  イチジクはオリベではなく、僕だった。 熟れたイチジクは赤い花を中で咲かせる……それがオリベの赤い髪へと変えていく。 「シノブ……お前はめちゃくちゃ綺麗やで」 イくとわかった瞬間、2回つつくようなキスをするオリベ。 「穢れとる俺を浄化しておくれ」 優しく言ったオリベは舌を絡めてきたんだ。 もちろん、僕も負けないように絡みつく。  もう穢れなんか、どこにもないくらい。 穢れた僕も 綺麗な君も 熟れたイチジクのように。 いやらしい音を上でも下でも立てながら、僕らはひとつなるように溶け合ったんだ。

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