166 / 174

結ぶ(24)

その仕草に合わせるように、俺もニールの両頬にそっと手を添えて、俺からも顔を寄せ…唇を求めた。 ニールの身体がぴくりと跳ねた。 俺の太腿に当たるニール自身が、更に硬化を増した。 …数センチ、唇を離したニールが、息を荒げ少し掠れた声で尋ねてくる。 「俊樹…俺を…俺を求めてくれたのか?」 俺はニールの頬に手を当てたまま、無言で頷いた。 至近距離で見る青い瞳の奥が、光ったような気がした。 「むぐっ」 息が止まるようなキス、ってこんなのを言うのだろうか。 鼻から息を吸おうと思うのに、身体が俺の言うことを聞いてくれない。 忙しなく動く舌に口内を舐め尽くされて蹂躙される。 既に口の周りはお互いの唾液でベタベタになってる。飲み込もうとするのに、気道が塞がれているような気がして、口の端から零れ落ちているのが分かる。 ニールの両手は、俺の身体を(あま)すことなく撫で摩り、触れた所の温もりを追い掛けるように、肌がぞわぞわと痺れている。 その痺れが甘さを呼んで、触られているだけでイってしまいそうになっていた。 口からは「あっ」「んんっ」とか、自分の声じゃない声が零れ落ちて、止めようにも止められない。 こんな声、聞かないで欲しい。聞かせたくない。 そう思うのに我が儘な俺の身体は、勝手に快楽を求めて、ニールの身体に足を絡み付け腰を擦り付ける。 はしたない 格好悪い 頭では分かっているのに、遮二無二ニールを求める俺がいた。 涙がじわりと溢れてくる。 好きだ…愛してる…嫌わないで… 『捨てないで』 「…ニール…あっ、はあっ…ニール…」 ニールはそんな俺を宥めるように労るように、優しく穏やかに俺の身体に手を舌を這わせていく。 喉から胸元にかけて、幾つもの赤い跡が残されていた。

ともだちにシェアしよう!