165 / 174

結ぶ(23)

ニールは再び俺をベッドに下ろすと、胸の中に閉じ込めた。 大分冷えていた身体に、じわりと温もりが戻ってきた。 あったかい…気持ちイイ…安心する… 心地良くて、思わずほおっ…と吐息が漏れた。 それが聞こえてしまったのだろう、ニールは俺にキスをすると 「気持ちイイな…俊樹は俺の“安心毛布”みたいだ。」 「“安心毛布”って…あのラ○ナスの?」 「くくっ、そう…愛着…執着…今まで誰にも感じたことのない感情だよ。 俊樹じゃないと俺を癒せないんだ。」 「じゃあ、ボロボロになるまで離してくれないのか…」 「たとえ擦り切れても千切れても、切れっ端になってもずっと一緒だよ。」 「…それは凄い執着だな…」 「覚悟しろよ、俊樹。」 くすくす笑いながらのし掛かってくるニールの身体の重みを心震わせながら受け止める。 いつもはスーツに隠された筋肉質の肌がダイレクトに触れて、薄っぺらい体躯の俺は気恥ずかしい。 同じ男なのにどうしてこうも違うのか。 俺だってそれなりに鍛えてはいるけれど、中々筋肉がつきにくい体質らしい。 プロテインを勧められたけど、俺には合わなくて1回で止めてしまった。 ニールは俺の身体をあちこち触りながら 「俊樹は何処を触ってもしなやかだ。 弾力があってそれでいてしっかりと鍛えた筋肉がついている。 所謂細マッチョとかいうやつなんだな。」 「ニールなんて“いかにも鍛えてます”ってマッチョ系じゃないか。 俺にはない筋肉で羨ましい。」 「そうか?じゃあこの筋肉でお前をたっぷりと愛そうか。」 「言い方が何かイヤらしい。もっとスマートに。」 「ふふっ…何を言ってもイヤらしくなるんだけどな。 じゃあ、言葉はいらないか…」 ニールは俺の顎をそっと掴むと、ゆっくりと唇を合わせてきた。

ともだちにシェアしよう!