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結ぶ(23)
ニールは再び俺をベッドに下ろすと、胸の中に閉じ込めた。
大分冷えていた身体に、じわりと温もりが戻ってきた。
あったかい…気持ちイイ…安心する…
心地良くて、思わずほおっ…と吐息が漏れた。
それが聞こえてしまったのだろう、ニールは俺にキスをすると
「気持ちイイな…俊樹は俺の“安心毛布”みたいだ。」
「“安心毛布”って…あのラ○ナスの?」
「くくっ、そう…愛着…執着…今まで誰にも感じたことのない感情だよ。
俊樹じゃないと俺を癒せないんだ。」
「じゃあ、ボロボロになるまで離してくれないのか…」
「たとえ擦り切れても千切れても、切れっ端になってもずっと一緒だよ。」
「…それは凄い執着だな…」
「覚悟しろよ、俊樹。」
くすくす笑いながらのし掛かってくるニールの身体の重みを心震わせながら受け止める。
いつもはスーツに隠された筋肉質の肌がダイレクトに触れて、薄っぺらい体躯の俺は気恥ずかしい。
同じ男なのにどうしてこうも違うのか。
俺だってそれなりに鍛えてはいるけれど、中々筋肉がつきにくい体質らしい。
プロテインを勧められたけど、俺には合わなくて1回で止めてしまった。
ニールは俺の身体をあちこち触りながら
「俊樹は何処を触ってもしなやかだ。
弾力があってそれでいてしっかりと鍛えた筋肉がついている。
所謂細マッチョとかいうやつなんだな。」
「ニールなんて“いかにも鍛えてます”ってマッチョ系じゃないか。
俺にはない筋肉で羨ましい。」
「そうか?じゃあこの筋肉でお前をたっぷりと愛そうか。」
「言い方が何かイヤらしい。もっとスマートに。」
「ふふっ…何を言ってもイヤらしくなるんだけどな。
じゃあ、言葉はいらないか…」
ニールは俺の顎をそっと掴むと、ゆっくりと唇を合わせてきた。
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