58 / 217
Ⅵ 《おまけ+》3倍しろォォォー!【THE FINAL①】
「………………ないのか…………ボッキ貝定食」
ない。
絶対ない。
あってたまるか。
「…………ないんだね、ボッキ貝定食」
聞くな。
「ありません」
そんな卑猥な貝は要りません。
「ちなみに『ホッキ貝定食』も、当店ではお取り扱いをいたしておりません」
例えあっても出してやるもんか。
ホッキ貝に謝れ。エロ魔王α
どうやら、可愛いほわほわオーラは脳内で猥褻物に濃縮されしまっているらしい。
この魔王は腑抜けを通り越して、ただのドスケベだ。
「残念だ……ボッキ貝定食……」
まだ言うか。
もういいから……
「ではオーダーを変更するよ」
「はい」
「『旬のボッキ定食』はあるかな?」
「………」
「『旬のボッキ定食』だよ」
「ありません」
無だ。
無の境地になれ、僕よ。
相手はエロ魔王α
こんなんでも、お客様だ。
お客様に腹を立ててはならない。
「なぜ?」
「………」
「なぜ『旬のボッキ定食』がないんだ」
「僕に聞かず、自分の胸に手を当てて考えてください」
「私の胸に手を当てても『旬のボッキ定食』は出てこない」
「………」
「勃起もしない」
出たなァァァァーッ
このエロ魔王α!
本音を喋ったな!
「『ッ』しか合ってない!」
全部あなたの妄想だ。
「このメニューに書いてあるのは『旬のホッケ定食』です」
ホッケだ、ホッケ!
エロ魔王αよ、ホッケに謝れ。
土下座しろー!
「『ッ』しか合ってませんよ」
「………………ん?」
ともだちにシェアしよう!