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Ⅹ《おまけ+》【前編】小文字オー、大文字ティー、小文字オー
「俺は、カリ高ちんこだ」
「ギャアァァァーッ♠!!」
この人、なにを言い出すんだァァーッ!!
………………
………………
………………
「………」
「………」
「真川さん」
「はい」
「カリ高ってなんですか?」
『ちん……こ』と言ったらから、それが雄の性器を指しているのは分かるんだけど〜
宵闇の光がひどく優しい目をした。
その輝きはどこか憂いを帯びていて、悲しそうだ。
「そうか……エラが張ってないんだな」
エラ!?
真川さん、ひどい。
(俺のアレ)
「魚じゃありません!」
「いいんだ。雄の象徴はみんなフグだ。膨らめば正常だ」
フグ…………
(そんなっ)
真川さんの股間にはフグがぶら下がってるなんて!!
「真川さんっ」
ひどく優しく、ひどく悲しい目であなたを見つめた。
それでエラなんて言い出したんだ。
股間がフグなんて、俺なら耐えられない。
(生臭くないのかな?)
手入れが大変そう〜
「俺、気にしませんから」
「??」
「気を落とさず、がんばってください」
「………」
励ますのは、さすがに失礼だったろうか。
「意外だな。喜ぶと思ったんだが」
「??」
「嫌いか?」
「………」
フグは嫌いじゃない。
むしろ好きな方だ。お鍋にして、てっちりとか。刺し身にしても美味しいよね。
でも食べたら、真川さんにぶら下がる真川さん自身がなくなってしまう。
いいのか!?
フグは好きだ。
てっちりも、てっさも……
でも。その場所は……
「ほんとうに真川さんのフグ、食べてしまってもいいんですか」
「えっ」
真川さんが口を押さえて、真っ赤になっている。
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