139 / 217
Ⅹ《おまけ+》【中編】小文字オー、大文字ティー、小文字オー
真川さんが可愛い♪
ものすごく可愛い♪
(もしかして……)
真川さんが照れている★
手元で口を隠して、少し俯いた視線で顔を真っ赤にしている。
こんな真川さん、見た事ない。
(どうしよう)
俺が変なこと言っちゃったせいだ。
「あの、真川さん」
謝らなきゃ。
とにかく謝ろう。
フグは好きだけど、股間のフグを食べたら、真川さん自身の象徴たる雄がなくなってしまう。
(生まれた時からぶら下がっている股間の相棒を食べるなんて、いけない事だ)
そもそも股間がフグなんて、とても恥ずかしい。
俺なら、誰にも話さずに一生秘密にしたい事実だ。
股間の秘密を話してくれた真川さんの勇気敬意を払い、感謝しなければならぬというのに。
俺は、自分の食欲を満たす事ばかり考えていた。
(恥ずかしいのは俺の方だ)
「すみません。俺、自分の欲求を止められなくて……」
「君は今、発情状態にあるからな」
そうか。俺の場合、発情期には食欲が増すのか。
「欲求が抑えられなくて当然だ」
ぽんぽん
大きな手が降りてきて、俺の頭を撫でた。
真川さんは、こんな時も優しい。
(俺、真川さんの股間がフグでも気にしないよ)
真川さんは、真川さんだから……
(俺も真川さんのフグ、大事にするよ)
真川さんの大切なものだから、いっしょに大切にしたい。
もう、食べるなんて言わな……
ドキンッ
心臓が飛び出るかと思った。
温かい体温に強く強く、力強く包まれている。
(ここ……真川さんの腕の中)
「君に食べてほしい」
ちがうな……
チュッ
唇が耳朶をかじった。
「君だから食べてほしい」
ともだちにシェアしよう!