プシュ 　リモコンが白煙を噴き出している。 　プシュ、プシュ、プシュ (なぜ) 　どうして？ 　一体なんで？ 　こうなった…… (濡衣だ) 　無実だ。 　冤罪だ。 「恥ずかしくないから大丈夫」 「ちがいます！！」 　俺は、そそそ〜 「早漏」 　それ。 「……じゃありません！！」 「隠さなくていい」 「本当に違います！！」 「むきになるな」 　真川さんも、勧修寺先生も。 　大体どうして。 『ｏＹｏ』 　これで通じるんだ？ 　真ん中から飛び出しているのは…… 「せっせ〜」 「精液」 「それ」 　……だなんて、なぜ分かるんだ。 　αの暗号だろうか。 　プシュゥ〜 　勧修寺先生の手の平で『ｏＹｏ』と表示されたリモコンが、依然白い煙を噴き出している。 (なんかヤだ) 　白い煙を止めてくれ。 (……早くないもん) 　たぶん………… 　腕に抱かれて、大きな手が頭を撫でてくる。 (これは、もしや) 　慰められているのだろうか。 「真川さん！」 　哀しみが深すぎて、涙も出ない。 　全部、誤解です！ 「俺は君の理解者だ。分かってる」 　瞬時に勧修寺先生からリモコンを奪い取る。キーボードを軽やかに滑る指。 　ピッピッピッ