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第1話
ぬるぬる、ぬるぬると身体を這う触手。真っ暗闇の中でソイツらが触手だってことだけはわかってる。
コイツらは夢の中だからって好き勝手に動き回る。
――ッアァ。
身体がしなった。身体を這い回る触手のひとつが俺の陰茎に絡みついてきてぬるぬると動く。別の触手が俺の口の中に入ってきて喉を犯す。そしてまた別の触手が乳首を吸引するようにしてきて、そしてまた別の、が。
――ッ、つ、ンーッ!
後孔に入り込み蠢きだす。身体中が埋め尽くされるように触手に蹂躙される。頭の中が白んで行く。
ぐちゃぐちゃ、ぐちょぐちょ、気持ち悪い音を立てて身体だけが気持ちよさにのぼりつめていく。
――ァァ、ァァ!
遠くで声がする。俺の声だ。喚き散らして、吐精する。吐き出された白濁を触手たちが吸い取って、ぬるぬる、ぬるぬると俺の身体に塗り込めて行く。
気持ちの悪い夢。
気持ち悪いのに、何度も俺は絶頂に達する。
気持ちの良い夢。
気持ちいいのに、気持ち悪くて、俺は――嘔吐して、目覚める。
空が白みはじめころ、胃液と強烈な胸糞の悪さに目覚める。
毎日のように。
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