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⑨
「あ、あーーと、荒木課長腹減ってないすか?朝飯出来てるんですけど…」
「おッ、佐和お前気ィ付くな。てか、これお前が作ったのか?」
「ま、まぁ、たいしたもんじゃないで」
「ん、美味ェ」
ってか、話し聞かず
『いただきます』も言わず
つまみ食いしたかと思ったら、早々とガッツいて飯食ってるの見ると、やっぱりいつもの鬼だ
口悪いし、態度も悪…
「こりゃあ美味え、佐和美味いわ」
「ッ、ッ!!」
俺、相当ヤバいです
課長の満面の笑顔を見た瞬間
心臓の奥がくすぐったくて
口元に米粒ついてるのも
美味そうにご飯をかけこむ姿ももっと見ていたくて
年上の男で鬼なのに……
「可愛い…」
「佐和」
「え?あ、はいッ。課長おかわりですか?」
「泊めてくれるは、飯出してくれてはいるがよ、評価にはいっさい付けねぇからな」
箸を俺に向け、なぜかのドヤ顔をして来た課長に
箸を人に向けるんじゃありません!
と、出かかったのを飲み込んだ
そして後日
もう一度、心臓が高鳴る出来事が来る事を
今の俺はまだ知らなかった
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酒は飲んでも飲まれるな
鬼課長のギャップに部下の佐和くんは太刀打ち出来るのか…
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