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「あ、あーーと、荒木課長腹減ってないすか?朝飯出来てるんですけど…」 「おッ、佐和お前気ィ付くな。てか、これお前が作ったのか?」 「ま、まぁ、たいしたもんじゃないで」 「ん、美味ェ」 ってか、話し聞かず 『いただきます』も言わず つまみ食いしたかと思ったら、早々とガッツいて飯食ってるの見ると、やっぱりいつもの鬼だ 口悪いし、態度も悪… 「こりゃあ美味え、佐和美味いわ」 「ッ、ッ!!」 俺、相当ヤバいです 課長の満面の笑顔を見た瞬間 心臓の奥がくすぐったくて 口元に米粒ついてるのも 美味そうにご飯をかけこむ姿ももっと見ていたくて 年上の男で鬼なのに…… 「可愛い…」 「佐和」 「え?あ、はいッ。課長おかわりですか?」 「泊めてくれるは、飯出してくれてはいるがよ、評価にはいっさい付けねぇからな」 箸を俺に向け、なぜかのドヤ顔をして来た課長に 箸を人に向けるんじゃありません! と、出かかったのを飲み込んだ そして後日 もう一度、心臓が高鳴る出来事が来る事を 今の俺はまだ知らなかった ■■■■■■■■■■■ 酒は飲んでも飲まれるな 鬼課長のギャップに部下の佐和くんは太刀打ち出来るのか…

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