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「ッなに考えているんだ!しっかりしろ俺ッ」 相手は上司であって、この変な気持ちになっている相手はいつも怒鳴り散らしている鬼課長だぞ! それにこの前、起きた事は事故だ 理性を強く持って踏み止まれよ俺ッ! そう再度自分に暗示を掛け、ベッドで寝る課長のスーツを脱がそうと手を伸ばした 「ん~」 「うっ、ッツ!!」 その俺の手に、猫がするようにスルリと頬をすり寄せてくる課長 そんなのを見れば、ギュンッと心臓が締め付けられる 「か、かか、課長…」 触られる事が好きなのか、頬をするりと撫でると嬉しそうに笑顔になって すぐさま引っ込めようとした手はつい頬から首、そして唇をなぞってしまう 「ん…」 見れば見るほど、男前に整った顔だなと思う 鬼のような怒号や形相さえしていなければ、離婚歴があろうが女性社員がほっとかない人だろう そんな人が今、俺の指先に縋り 薄らと唇を開き、熱っぽい息を吐き出している そんなのを目の当たりにすれば 興奮しているからか、緊張なのか、ツバを呑み込むのが止まらない 「って、違う違う違う違うッ」 若干の邪な気持ちを振り払うように深呼吸をし、あくまで冷静に課長のスーツを脱がす為、ベッドに膝をつく 体重を掛けた所から、ギシッと軋む音が響き心臓がそのたびにバックバク 「し、皺になるから、脱がしますよ…」 言い訳じみた独り言 前もそうだったけど、ガタイが良いせいでスーツを脱がすにも一苦労する 肩に手をかけ、上着の襟を掴みゆっくりと肩からスーツを脱がす と、その時 「え?ちょっ、」 課長が俺の手を巻き込むように寝返りをし、グインッと体が引っ張られた (これはマズいマズい!) 咄嗟に付いた手でもってなんとか課長を潰さずに済んだが、間近にある顔と、体全体から伝わる体温 デジャヴかと思うほど、この体勢は… 不可抗力としか言えないが、ベッドに寝ている課長に俺は 前回と同じように覆い被さっている ほんのりと酒の香りが鼻を燻り 色っぽい声がほんの5センチほどの距離で発せられる 課長に触ている所全部がヤケドしそうに熱くて これ以上は俺がヤバい そう思って、体を離そうとした時 「うわッ、う、ん?んんっ、んーー」 首に腕の重みが掛かり引き寄せられた後 あの熱くて 柔らかくて 蕩けるぐらい痺れる感触が舌に絡まってきた

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