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②
「あら、き…課長っ!ちゃんと歩いて、下さいよ!」
「ん~~、歩いてるぅ」
「歩いてないでしょうにこの酔っ払い。何が『俺は、酒は飲んでも飲まれねー奴なんだ』だよ。ほら、ベッドに座って…って!
あ゛ぁーーー、ダイブしないで下さい課長!」
「布団、ふっかふかぁ」
この呑んべい課長がっ!
部屋に連れて帰るまで、それはもぉ至難の連続
タクシーを見つけるまで、ちょっとでも目を離すと
道端に寝ようとするは
野良猫見ては追いかけようとするは、横断歩道の押ボタンを連打するは
やっと辿り着いた俺の部屋に入った早々、ベッドに飛び込み大の字姿
だからか……
「ったく、またスーツ着たまま。課長、ネクタイ緩めますよ?」
「ん…」
「ッ!」
酔っ払いの子供じみた行動にスッカリ忘れていた
今、俺のベッドに寝転がっている人は俺の上司で、そして、ここで以前めちゃくちゃエロいキスをした相手で
(何でこの人、無駄に色っぽいんだよ…)
さらに、俺は少なからずあれから荒木課長を意識しまくっていて
ダメだと思いながらも
唇の隙間から覗く舌に、紅く染めた顔
はだけたシャツの下には腹が割れた引き締まった体を見た瞬間
心臓がバクバクと暴れ始める
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