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朝、起きて真っ先に俺がした事は 顔を洗う訳でも 朝の抱擁をする訳でもなく 「す、すいませんでした!」 鬼にひれ伏す事 あれから…… もう一回と言ったものの、それだけで終われる訳なんか無く 体勢を変えてバックから、抱っこやらと色々ヤってしまい また課長が俺に抱きついて泣くもんだから胸キュンもので 会社に行く為の支度をしなければいけないギリギリの時間まで 課長に触っていて そのせいで…… 「あ、あの……課長、体は大丈…」 「大丈夫……な訳ねぇだろうがっ! 人を立たせねぇほどヤりやがって、佐和テメェぇえ!」 「す、すいませんでした!会社には課長は体調不良でお休みする事にしておきます」 「当たり前だボケッ、本当の事言ってどうすんだ馬鹿野郎がっ!さっさと会社行けっ」 土下座をし謝る事しか出来ず ベッドで睨む課長にぐうの音も出ない 興奮し過ぎて理性をぶっ飛ばしたとは言え、同意を得ないでしてしまった行為 課長に嫌われても同然であって 軽蔑されても致し方ない… それでもやっぱ俺は… 「荒木課長……俺、あんな事しちゃって… でもッ、俺マジですから!本気で課長の事がっ、好きなんです…」 今更、告白…と自分でも思う 課長もそう思っているだろう 俺の呟きには答えず、課長は布団を被り、話しは終わったとばかりの態度 (うわ…泣きそう…) 「っホント、すいませんでした… じゃあ、行ってき…ます…」 支度を済ませ、振り絞ってなんとかその言葉だけを口にする事は出来た 布団に籠る課長に背を向け、重い足取りで玄関に歩き出した時… 「ったく、佐和ッ………朧月ッ」 こんもりと膨らんだ布団の中から唸り声 「え、えーと……はい?」 「ちっ…銘酒だ馬鹿がっ! それ買って……帰って来いッ、分かったか!」 「帰って……え?それって……」 布団からガバッと顔を出した課長は、耳まで紅く染まり、ぐしゃぐしゃの髪の毛を掻きむしった後 腹を括ったような鋭い目を俺に向け… 「あ〝ーーッたく、酒……飲みながら、説教してやるってんだッ 定時に上がれ、分かったなッ」 「か、課長…は、はい!行ってきます!!」 今出た玄関を今度は 「ただいま」 っと、酒を渡し伝えれば 鬼のあの人はどんな顔してくれるか想像しただけで 胸が躍るのを止められなかった ■■■■■■■■■■■■ おまけでーす→

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