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②
「それで?私になにか用か?」
「何か…じゃないかと思いますがッ」
10人ほど座れる椅子とその中央には会議室に見合った大きいテーブルがある
その部屋の一角で、腕組みし明らかに怪訝な顔をしている森課長
出来れば俺だって2人っきりになりたくない
でも言わなきゃいけない事が山ほどある
どう切り出そうかと思案していた俺が口を開く前に…
「あぁ、荒木にキスした事か?」
「ッ、く…」
シレッと悪びれた様子もなく、核心をついて来た森課長に再熱する怒り
詰め寄りたいのを殴りたいのをグッと我慢し、精一杯の睨みを効かせて向き合う
「今後一切止めて下さいッ」
「君に言われなくても、もうやらないよ」
「え?」
やけにあっさりと引き下がった森課長に、驚いた表情を隠せなかった
そんな表情を読み取ってなのか、心外だな、と言葉を紡ぐ
「荒木と君の仲を否定するつもりは無いよ。
ただ私がちょっと揺さぶれば壊れるような関係だったら、無理矢理でも荒木を君から離すつもりだったんだけどね」
「え?なんでそんな事…」
「当たり前じゃないか、大切な親友なんだから」
予想外の答えにさらに驚いた
同期だから仲が良いと勝手にそう思っていた
荒木課長も楽しそうに話す内容の中では同期としか言ってなかったし、でも荒木課長と森課長はそこまでお互いを信頼していたんだと
改めて突きつけられて
羨ましさから軽く嫉妬心が浮き上がる
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