83 / 93

「で?佐和…朝から私をこんな所に閉じ込めるぐらいなんだから、荒木とはきちんと話をして上手く行ったんだろう?」 「…………まぁ」 「そうか、それは良かったね。なら、もう私がとやかく言う必要も無いし、たまには気晴らし程度に横槍を入れさせてもらおうかな」 「絶対止めて下さいッ」 結果オーライで荒木課長とは付き合える事になったはなったけど… 何でもお見通しされているようで、こちらとしては幾分面白くはなかった とはいえ森課長は森課長なりに心配した結果の行動だったんだろう 一応、中立の立場でいてくれると言う事で、ホッと安心しお礼を言って会議室から連れ立って出ようとしたら 「ちなみに当の本人は?荒木はもう出社しているんだろ?」 不意に飛んできた質問 そして1番聞かれたくない質問でもあって、体が固まる 「あ……えーと、その今日は体調不良で、お休みです…」 「ふーーん…そうか、そうか」 笑顔で応えながら、上着の内側から携帯を出し、どこかに掛け始める その相手はもちろん… 「荒木、体は大丈夫か?あぁ…そうか。その件は問題無い、進めておくから。あぁ、分かった…」 しばらく話しをした後、携帯を切って俺に向かい合う その顔が… 「ッ、…」 「さて、佐和…荒木の掠れて辛そうな声と出勤出来なくなった理由を、説明して貰おうか」 笑みを張り付かせてはいるが、眼光鋭く光る目に睨まれ、顔が引き攣る 今度は森課長が俺の腕を掴み、今までいた会議室にグイグイ押し戻され それからは… 「は?よく覚えてない?お酒の飲みすぎ?荒木にも怒られたって? 佐和、お前……そこは荒木に似るなよ…」 昨日から今日にかけてと 人は違えど懇々とこぴっどく説教を受け 席に戻った俺を見た武藤が慰めてくれるほど、ヘコんだ日が過ぎていった ■■■■■■■■■■■ 荒木課長が出勤出来なくなった真意は次回で!

ともだちにシェアしよう!