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第14話 - ①
鬼課長に起きた出来事
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気が済むまで佐和に説教をし、腹が鳴った事で昼になっていたのかと気付かされ
それから犬のようにしっぽを振る佐和が
『俺、作りますね』
と、冷蔵庫にある材料で手早く料理を作ってくれる
作り置きの料理も美味かったが、一緒に飯を食べるとさらに美味く感じ、飯を食べた後はマッタリとした時間を堪能していた時
そうだっ、と何かを思い出した佐和が
「陣さん、昨日差し上げたお土産開けてみて下さい」
嬉しそうな顔を向けて来た
昨日は佐和を迎え入れた後、お土産なんて見る余裕もなくいつの間にか押し倒され
朝起きてからは2人してボロ泣きし
その後は佐和に説教と、怒涛のように時間が過ぎて今に至る
「…にしても佐和、おまえこれ重かっただろう」
「全然ですよ。美味しそうな地酒や珍味がいっぱいあって、つい目移りしてしまいました」
そんな放置していたお土産を前にして、改めて見ると
飲み比べ出来る地酒セットに、燻製、珍味と種類豊富な品数がテーブルに並ぶ
手に取りそこに書かれている謳い文句を読めば読むほど、惹かれる事この上ない
想像だけで唾液が溢れ
喉が鳴り
昼飯とは別腹の食欲が昂まり
だから
(今から嗜む程度に飲むんだったら、明日の仕事には支障は無いか…)
そんな軽い気持ちで
「佐和、お前まだいるだろう?飲み比べやってみるか?」
「はいっ」
佐和と酒を酌み交わし始めた
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