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「陣さん、これ飲みやすいですね」 「だなっ。佐和、この日本酒とチーズの燻製めちゃくちゃ合うぞ」 「本当ですね、まろやかになってお酒が進みますね」 さすが佐和と言うべきか 日本酒もつまみも俺の好みドンピシャで、飲む手が止まらない また休日でないと出来ない背徳感満載の昼飲み さらに、いつも食事や周りに気を遣って飲むのを二の次にしている佐和も 楽しそうに俺と同じペースで飲んでくれているのもあって、良い気分になってくる そして 美味い美味いと飲んで、2時間ほど経った頃 異変を感じたのはその時だった 「陣さん…俺、ずっと思ってたことがあって…」 「ああ?なんだ?」 「陣さんにも…下の名前で呼んで欲しいです。 名前で呼んでくれないのは、俺の頑張りが足りないからですか?もっと気持ち良くさせる事が出来たら呼んでくれますか?俺、頑張りますから…。すぐには陣さんの希望通りには出来ないかもしれませんが、回数こなせば…」 佐和が突然、訳が分からない事を言い出して来た 「は?佐和、お前酔ったのか?」 いつもと同じようにニコニコとしていて、返事も普通だったから気が付かなかったが… 「やっぱりッ、やっぱり名前で呼んでくれないんですね… まだ陣さんに俺がどれぐらい好きか伝わってない、そうなんですね…」 俺の問いかけに、てんで違う事を言う始末 よく見ると目の奥の焦点が合ってないし、フラフラと体が揺れている (これ以上無理だな…) 頃合いも良かったし、お開きにしようと佐和のグラスを掴む 「佐和、お前もう飲むの止めろ。タクシー呼んでやるから、少し休んでから帰れ。明日から仕事だし、家に帰ってー…」 「分かりました!俺の気持ち、陣さんに伝わるまで頑張ります」 パッと顔を上げた佐和と視線が合わさる そして満面の笑みをした佐和が 「は?ちょっ、っ痛ぇなって、佐和退けろッ」 両肩を掴んだと思いきや、全体重をかけ 床に押し倒してきた

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