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小話『察しの悪い男』
(※今回は12歳以上推奨くらいかも知れません)
「なあ、本当に開いてんのか?だって今日休みだぜ?」
「お前がやりたいって言ったんだろ!それに、土曜はギリ活動してるって話だし、人居なくても体育館さえ開いてたら二人でできるしな。まあ、大地 は居そうだけど。」
「はは、あいつずっと居るもんな!」
バドミントンサークルのメンバー、四年生の三上 と夏川 は体育館へと向かっていた。土曜にわざわざここに来てまでバドミントンをしようとは思ったことがなかったので、実際に活動しているかは半信半疑だった。
「じゃあさ、賭けようぜ?居るか居ないか!勝った方が負けた方に一個命令できるってのでどう?」
三上がニヤニヤしながら提案した。夏川は三上が何を命令したいのかすぐに理解し嫌な顔をした。
「じゃあ、お前が俺に命令したいことを当てられたらその賭け、無かったことにしていい?」
「当てられたら俺の負けってことでお前の命令を一つ聞いてやるよ。まあ、当てられるとは思わないけどね。」
三上はニヤニヤしたまま返す。
「お前が考えてるのはいつも同じ事だろ!」
「へぇ?どんなことかなぁ?」
「...っ!言わせたいだけじゃん!」
「そんなことないぜ?言ってもらわなきゃ合ってるかわかんないしさ。」
「...たいんだろ。」
夏川はモゴモゴと言葉を発する。
「聞こえないー!」
三上のニヤニヤした顔が夏川をイラつかせる。
「俺としたいんだろ!その...エッチなこと!ほら、正解だろ!」
「うーん、惜しい!正解は体育館のど真ん中でユニフォーム着たまま愛のマッチしたいでした!」
「ふっ...ふざけんな!意味合いは同じだろ!絶対嫌だからな!」
「ふーん。でも...身体は正直だよ?想像しちゃった?」
そう言って三上は夏川の下腹部を指差す。
「うわっ!こ、これは違う!違うからな!」
夏川は慌てて手で隠した。
「ふは、何が違うんだよ〜。まあでも、流石に冗談だから安心しな?」
「あ、そか。...ビックリさせんなよ!」
「あれ?ちょっと残念がってる?」
「な、わけないだろ!」
「そっか。」
三上の返答が想像よりもあっさりしていたので夏川は少し残念がる。チラチラと三上に視線を送るが、返ってこない。
「......俺も、大地がいない方に賭けるよ...」
「えっ、それってつまり...」
「...察しの悪い奴は嫌いだバカ!」
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「お!先輩方来てくれたんですね!」
体育館に入ると大地に満面の笑みで出迎えられる。
二人は見つめ合って笑う。
「...俺たちの負けだな!」
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