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第6話

そうか!!そうだったんだな! あの忘れられない淫らな喘ぎ声は時枝七彩さんのものだっだんだな! そうと決まれば…。 『すまないが先に大学へ行ってくれ。急用ができた。』と伝える。 友達には申し訳ないが俺の不眠と直結する問題なんだ。 「俺だ。急ぎで駅まで戻ってくれ。」 「かしこまりました。ご学友の方にはいかがなされますか?」 「俺からもう伝えてある。いいから速く来てくれ」 時枝七彩、時枝七彩、時枝七彩、時枝七彩、時枝七彩、時枝七彩、時枝七彩、時枝七彩、時枝七彩……… これくらい唱えれば記憶から消滅することはないだろう。   「おっそいな!!」 こんなにも時計の針が動かないのはいつぶりだろうか。 あと、伊藤が遅い!!早く来てくれ!! とりあえず、声を聞きたい。 もう一度。 「康太さん。大変遅くなりました。」 「ああ。飛ばしてくれ。」 「安全運転を心がけます。」 「チッ」 俺は急いでいるんだ! こんなにも俺の気が短いのはいつぶりだろうか?

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