123 / 234

◇ヤバい*拓哉 2※

「――――……織田……」 「……んん、……ん……っ」  汗で張り付いた前髪を、掻き上げて、額に口づける。 「――――……可愛い……」  舌で、耳を刺激しながら囁く度、中がぎゅと、締めつけられる。  織田の気持ちいいところを、刺激して突くと、息をつめてしがみつかれる。 「……んん……っっ……んー……っ!」  深く突き上げたら、びくと震えて、自身から精を吐き出した。同時に後ろをきつく締めてきて、その中で何度か突き上げて、オレも中で欲望を解いた。  織田は、ぎゅう、としがみついてくる。 「……た かせ……っ……ふ……」  中から抜いた瞬間震えて、浮かされたみたいに名を呼ぶ唇をキスでふさぐと、弾んだ息をこもらせながら、応えてくれる。ゴムを外して処理してから、ぎゅ、と抱き返した。 「……ンん……ふ……」  ……あーもう……可愛い。  ……オレ、織田を抱いてる間、ずっと可愛いって、思ってるな。  何なんだろ、これ。  ……織田、男、なのに。  ――――……今まで気づいてなかったけど、オレは、もともと男が好きだったのかもしれないとまで、思えてきた。  可愛すぎて、愛おしすぎて、自分で自分を制御できてない。  もはや制御しないでこのまま愛してればいいかと思ってしまう位、織田も受け入れてくれてしまうし。 「……どうしよ…… シャワー……浴びる? 高瀬……」 「織田、どうしたい?」 「……汗すごい……し……でも眠いなー……」  ぼんやり呟いてる織田の頬にキスして。 「ごめんな、眠そうだったのに――――……」 「……ん?」 「眠らせてあげようと思ってここ連れてきたのに」 「……あ、眠らせてくれようとしてたの?」  織田が、くす、と笑って見上げてくる。 「……最初から、するんだと思ってた」 「オレは、おやすみのキスのつもりだったんだけど…… ごめん」 「……そうだったんだ」  クスクス笑って、織田はオレを見上げる。  両腕をオレの首にまわして、ぎゅ、と抱き付いてきた。 「――――……ごめんて、言わなくていいよ?」 「……でもな」 「オレ、男なんだからさ。本気で嫌だったら抵抗できてるから」 「――――……」 「嫌じゃないからこうしてるんだから、謝らなくていいよ」 「――――……」  頬、額、耳元にキスしていくと、織田は肩を竦めて離れようとする。 「くすぐった……」 「――――……何で、そんな可愛いかな」 「高瀬さ、あの……してる時さ、可愛い、言い過ぎだと思うんだけど。くすぐったいていうか………」 「――――…オレもそう思う」 「……え。 自分で思ってるの?」 「ああ。思ってる。でも勝手に漏れちまうんだよな……」 「……高瀬って、今までも女の子に、そういうの言い続けてきた人?」 「……ほぼ無言、だったかも」 「――――……」  え。……じゃあなんであんなに、ずっと言うの。  とでも思ってるんだろう視線を受け止めていたら、可笑しくなって、ぷ、と笑ってしまった。 「……可愛くてしょうがないんだよなー……。 どうしような?」 「――――……」  どうしようなって言われても……。  と思ってるんだろうな。少し寄った眉毛。  また可笑しくなって、笑いながら、額にキスした。  額にキスされて自然と目を伏せていた織田は、本気で眠くなってきたらしくて。あくびをひとつ。 「………やっぱり、オレ、シャワーは朝にしようかな……」 「ん。少し早く起こしてやるよ。……あ、水のむか?」 「ん。ありがと」  返事をしながらも、また、ふわあ、とあくび。  織田の髪の毛を撫でてから、服を身に着けて立ち上がり、キッチンの冷蔵庫からペットボトルを取って寝室に戻る。  うとうと眠り始めてる織田を、支えて少し起こして。 「織田一口飲んで」 「……ん……」  口にペットボトルをあてて少し傾けて水を飲ませてやると、「美味しい」とふわりと笑う。その笑みに惹かれるようにキスすると、口の中が少し冷たい。 「…ン…… んん …」  冷たい口の中がすこし熱を持った所でゆっくり離すと。  もうほとんど眠っていて――――…… 可愛くて笑える。

ともだちにシェアしよう!