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◇日課*拓哉

 そのまま、織田をベッドに寝かせて、布団をかけて。  自分も水を一口飲むと、ペットボトルを枕元に置いてから、織田の隣に入った。座ったまま織田を見下ろして、さら、と髪を撫でた。 「――――………」  もう寝ちゃったみたいで。   撫でていても、ピクリとも動かない。  ――――…… あー………  すっごい――――…… 和むなぁ……。  ほんと。いつも思ってしまうんだけど。  今までの彼女たちが、オレが織田にしてること聞いたら。  絶対、信じないだろうな……。  こんな風に世話を焼くタイプじゃなかったもんな。  ――――……もっと構ってとか、たまに、言われたっけ……。  ……何なんだろう、この、甘やかしたくなってしまうこの感じ。  世話焼きすぎかなーと思うほどに、せっせと世話を焼いてしまう。  織田がほんわか笑ってるのを守るためなら、ほんと、何でもしてあげられるんじゃねーかなぁ。  片ひじをついて、織田の方を向いて横になると、片手でその頬にそっと触れる。  ――――…… 可愛すぎる……。  なんだか胸の中が、ざわざわする。  きつく抱きしめて、そのまま離したくないと、思ってしまう。  他人と、一緒に暮らしたいと思ったのも、初めてだもんな……。  つかオレそもそも、父母すら一緒に暮らしたくないと思ってたし。  ……絵奈は、たった1人の妹で、あの父母がダメになったらオレが守らなきゃと思ってたから、かなり特別ではあるけど。    織田は他人だし、守らなきゃいけない存在では、ない。  もし一緒に暮らすとなったら、仕事も同じチームで、昼も一緒の事が多いし、何ならもうずっと3食一緒で、出退社も一緒で、寝るのも一緒となったら、ほぼ24時間一緒かもしれないと、分かってはいる。  今までのオレと、今までの相手とだったら。  考えるまでもなく……秒で結論がでる。無理。  なのに。  ……何度考えても、どうにかデメリットを思い浮かべて、嫌な風に考えてみようと頑張ってみてすらも。  織田、早く引っ越してくればいいのに。  結論はそれ。  もうただ、存在が愛しいとしか、思えない。  織田に会えてなかったから、オレはずっと冷めてたんじゃないかなと、思ってしまう位。  ぷに、と頬に触れる。  ぴく、と動いて。 あ、起きるかな?と思ったら。そのまま、もぞもぞと、体温を求めてすり寄ってきた織田に、ふ、と笑んでしまう。  ――――……まじで、可愛いなー………。  ほんと可愛いばっかり出てくる。  織田と居る間、延々同じ事を思ってる自分に少し呆れながら、織田を優しく撫でている間に。うとうと、眠くなってくる。  なんかオレ――――……織田見ながら、寝るのが日課みたいだなあ……。  そんな風に思うと、笑んでしまう。  そのまますぐに、眠りについていた。

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