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◇オレだけに*圭
なんかもう、オレときたら……。
高瀬の指見て変なこと考えてたらすぐばれて、正直に言いながら気持ち悪いかもって気づいて、それ聞いたら、気持ち悪くないって言ってくれて、そしたらもう、すぐに嬉しくなっちゃうとか。
なんか感情の上げ下げが激しくて、自分でも、ほんとあほだな、と呆れるけど。でも、高瀬の瞳が優しいので、やっぱり、すごく嬉しいとか。
うーん。気持ちがドタバタ忙しい。高瀬と居ると、いつもそう。
「一緒に入る?」
「え?」
「シャワー、一緒に浴びる?」
「……」
「手、出すけど良い?」
「……っ」
なんだか、すごく優しい笑みを含んだ声で、囁いてくる高瀬。でもって、すぐ赤くなるオレの顔。
「風呂ですると織田がのぼせそうだから、やめた方がいいかなと思ってるんだけど」
クスクス笑う高瀬を、なんかもう焦りながら見上げるしかできない。
「……風呂と、ベッドとどっちがいい?」
「――――……っっ」
うー……。
……なんなら……ほんとの希望を言えば、いますぐ触ってほしいくらい、だけど。
一日、外に居て、飲み屋とかも居たし綺麗にしてからがいいし。お風呂でって、嫌じゃないけど……やっぱり、ベッドの方がゆっくり……。
……って言えないぞ、ゆっくりシたい、なんて。
「……高瀬……」
言葉に詰まって、高瀬を見上げると、また、キスされた。
舌が絡んで、吸われる。
「……っん……は……」
噛まれて、吸われて、絡んで。ぞく、と震えると、高瀬の手が、首筋に触れてきた。
「織田……」
「……っ……?」
「……オレ、織田が、好きだよ」
「――――……」
「……飲んでる時もずっと、好きだなって思ってたし」
「――――……」
「電車の中も。歩いてくる時も。……ほんと、好きなんだと思う」
ぽけ、と見つめてしまう。
オレも、好き。
高瀬のこと、大大大好きだ。
……そんな風に、好きって言ってくれるのは嬉しすぎて。
「でもってさ……」
「……?」
「オレの好き、は……抱きたい、に直結するんだよなー……」
「――――……!」
言われたことを理解した瞬間、ただでさえ顔熱かったのに、ますます……。もう、湯気が出てるんじゃないかと思う位。
「……オレ、もしかして、そんなことばっかり、言ってたらごめんな」
「…………っ」
ぶるぶる首を振る。
何でごめんなんて。
……ていうか、嬉しいし。
オレ、高瀬、死ぬほど好きだから、高瀬がオレを好きで、でもって、オレを抱きたいって思ってくれるのって、もう。
「……嬉しい、から……ごめんって言わないで」
そう言ったら、高瀬は、ふ、と優しく笑んだ。
「なんか、そればっかり、って思ってない? 大丈夫?」
「思ってない」
「ほんとか?」
うんうん、と頷いてしまう。
「……っていうか……オレも……高瀬、好きで……」
「ん……知ってる」
ぷ、と笑いながら、高瀬は言って、オレの頬にキスしてくる。
知られてた……。
……って知ってるか。うん。
ふふ、と笑ってしまいながら。
高瀬の背中に回してる手で、ぎゅーと抱きついた。
「あの…… ベッド、がいいな……」
そう言うと、ん? と笑った高瀬が。
「いいよ」
笑いを含んだ声で言って、よしよし、と後頭部を撫でてくれる。
恥ずかしいけど。
……なんか、ホント好き。
超カッコいい、手で、撫でてくれるのも。頬に触れてくれるのも。
――――……色んなとこ。触ってくれるのも。
オレだけにしてくれてるんだと思うと。
めちゃくちゃ嬉しい。
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