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儀式
「柔らかいから痛くないでしょ? 毎日クセを付けているからね」
なぜかお腹を左手でやんわりと撫でるようちゃん。
「ふっ、ンぁ……ハァ……」
最初は痛かったけど、今は穏やかに気持ち良くて静かに喘ぐ僕。
指が一気に3本に増えるまでは。
「ン! ンアッ……ぁぁ……」
お腹を甘噛みしながらバラバラに指を動かし、ダンペンテキにセンを刺激される。
「ぁハッ……くぁ……」
ヒクヒクと軽くケイレンする身体はチャクジツに達する準備をしていた。
じわりじわりと欲情が僕のモノへと流れていく。
「そろそろ、いれちゃうね」
もう我慢の限界、と吐息のように言いながらギンギンのモノを突き刺した。
ズブッ……ズブズブ
「アアッ、アッ……アハッ、ハぁ……」
ググググッ
こするように中へと入っていくようちゃんのモノ。
そして、僕の上に重なるようちゃんは
へそ
みぞおち
胸と
なぞるようになめてから僕の唇に噛みついた。
ズリュ……グチャ……ズブズブ……グチュリ
何度も出し入れを繰り返すうちに音が生々しくなっていく。
今日は興奮しすぎなのか、いつもの音よりエロい感じがする。
クチュ……チュパ……クチュ……チュパ
舌も同じように出し入れをして、僕を細めた目で見つめるようちゃん。
もう僕は狂ったようにわめくしかない。
「気持ちいい?」
それなのに、ようちゃんは確かめてくる。
「もう、死んでもっ、イッ、いぁ……」
「死なれたら困っちゃうなぁ♪」
全然困ってないように鼻キスをしてきたんだ。
「こんなに好きになったことないよ」
ようちゃんは静かに言い始める。
「独り占めしたいとかひとつになりたいとか思ったことなかったんだ」
なぜかようちゃんはだらんと布団に置いていた両手を持ち、肩へと乗せようとする。
「爪痕つけていいから肩掴んでよ」
わからない僕は戸惑うようにえっ……?と言う。
「どっかに飛んでいっちゃうから、ちゃんと掴んでてね」
甘く低い声で言い放ち、律動を再開した。
貫いたかと思えば、すぐに抜き出し、また奥へ侵入する。
速さは増し、いやらしい音も大きく部屋に響くんだ。
「アッ、はっ……ぁンア、ぁッ」
意識が途切れそうになるから、言われた通りに肩を掴んでみた。
「痕つけて……俺だけのものだって証になるから」
もう身も心もようちゃんのものなのに、よくばりなんだね。
そんなところも好きだから、僕は快楽に身を預けたんだ。
「朝日夕馬は誰のもの?」
「あさ、ひ……ようたの、もの」
「死んでも?」
「ようちゃん、から……はなれない」
儀式のように必ず行われるやり取り。
不安そうにようちゃんが言うから、僕はなるべくはっきり言うんだ。
「もちろん、そのつもりさ」
ようちゃんは僕の手を恋人繋ぎにして、床に縫い止める。
誓い合ったあの時のように。
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