49 / 51

運命なのかは後にして〜最終章〜

 土師(は ぜ)は、玄関を開け俺の腕を引いて部屋に入った。土師の腕が俺を抱き締める。 「……何かあったんですか?」 「志之が…親父が死んだんだ……」 「だから、喪服…寂しくなったからここへ来た? 優しくして欲しくて?」 「それもあるけど…会いたかったから…土師の事もっと知りたいと思って」土師は、俺の上着を脱がしネクタイを取った。 「え? もしかして…するのか?」 「この流れでヤらないわけないし、俺、あんたに優しくしないって言った」 「え? え? 展開が早すぎねぇ?」土師は、抵抗する俺をベッドに押し倒した。 「なに処女みたいなこと言ってんですか」 「紛れもなく処女だよ」 「あ……」 「あ……じゃねぇわ! なぁ…風呂入りたい!」 「ダメだって…喪服とかレア過ぎて脱がせたいに決まってる…中途半端にあんたに触ってからこっちは、悶々としてんですよ!」 「そうゆーの秘めろよ! ダダ漏れてんぞ! 俺の一大事にエロ目線全開とか信じられねぇ!」 「俺を知りたいんだろう…なぁ…ダメ? 先輩……」      俺は、ぎゅっと抱き締めてくる土師にきゅんとしてしまった。 「ああ! もう…分かったよ。でも…痛いのは嫌だからな」 「……はい」  土師は、ゆっくりキスを繰り返し自然に開いた俺の口へと、舌先を入れ俺の舌に絡めて深く唇を重ねた。シャツ越しに土師の手が俺の胸を這っていく。その動きがもどかしくて俺の口から甘い吐息が出てしまう。 土師の指が器用にシャツのボタンを外し肌に触れた。土師の息遣いや鼓動の速さを聞きながら、触れられて息が上がっていく自分の声に驚いた。土師の唇が俺の肌を這っていき、高ぶる中心を指でシゴいた。 「んんっ」 「……エロいな。ここ、こんな溢れてる」 「ゆーな……」 「ゆっくり…解してあげるから…気持ちよくなって」

ともだちにシェアしよう!