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跳び箱編『第16話*』
「それはまあ、ご想像にお任せするよ」
「あっ、あっ! ああぁあっ!」
いきなり激しく突き上げられて、悲鳴混じりの嬌声を放った。敏感なところをしつこく擦られ、のたうつ腰をがっちり押さえつけられて、身動きが取れないまま悶絶する。
「は……う、この変態教師ぃ……っ!」
「そう言うお前だってなかなかのモンだぞ? 玩具で後ろ弄られながら俺のものを咥えるなんざ、いろんな意味で普通じゃないと思うね」
「そ、それは先生が口元に押し付けてきたからで……あんっ!」
「俺のせいにするのか? 上の口でしゃぶりながら感じまくってたのはどこのどいつよ?」
そう言われると否定しづらい。本当に嫌だったら殴るなり蹴るなり噛むなりして逃げればよかったのに、それをしなかったのは自分だ。これが例えば全然知らない気持ち悪いオッサンとかなら、触られた段階で股間を蹴り上げてやったと思うが、市川相手だと何故かそんな気が起こらなくて、結局こうして抱かれる羽目になってしまった。
何故だろう。俺は先生のことなんて、好きでもなんでもないのに……。
「もしかしてお前も、俺のこと好きだったりする?」
「っ……!」
そう問われて、夏樹はキュッと唇を引き結んだ。
好きなわけがない。なし崩しに生徒をレイプする教師なんて大嫌いだ。
けれど、夏樹の口から出てきたのは全く違う言葉だった。
「……ご想像にお任せします……」
自分でも驚いた。なんでこんな曖昧なことを言ってしまったのか、理解できなかった。
「ふーん……? まあいいや。思春期の男子は素直になれないこともあるしな」
「はあ、あっ……ああぁっ!」
再び激しい抽挿が始まる。強く身体を揺さぶられ、感じるところを余すことなく擦り立てられ、全身ががくがく痙攣する。飲み込みきれなかった唾液が唇からあふれ、突き上げられた衝撃で大粒の涙が飛び散った。
「せ、せんせ……もう許して、くださ……」
「……うん、いい感じに解れてきた。じゃあそろそろ跳んでみるか」
「は……っ?」
急にそんなことを言われ、夏樹はポカンと首をひねった。跳ぶって何のことだ……?
「跳び箱だよ。七段跳べるようになることがそもそもの目的だろ? 跳ばずに終わっちゃったら意味ないからな」
そう言って、市川が己を引き抜いていく。
夏樹の肉襞は名残惜しそうに市川に絡みつき、完全に引き抜かれる際にちゅぽん、といやらしい音を出した。
ぐったりと身体を投げ出しているところを抱き起こされ、跳び箱の前に立たされる。
「ほら、跳んでみろよ。今ならきっと跳べるはずだ」
「こんな状態で、跳べるわけないじゃないですか……!」
「いや、跳べる。俺がついてるんだから跳べないはずがない」
「無理ですって……」
「大丈夫だよ。お前は踏み切り台の上でジャンプして、軽く跳び箱に手をつけばいい。後は俺がサポートしてやる」
「そんな……」
夏樹は泣きそうな顔で市川を見上げた。
正直言って不安だった。全身に力が入らず、指先も上手く動かせない。こんな状態で跳べだなんて、無茶にもほどがある。
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