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跳び箱編『第15話*』
「は……離し、て……っ! うっ……くるし……い」
「ちょっと我慢してくれ。すぐよくしてやるからな」
「ああぁ……っ!」
ズン、と最奥を突き上げられて、引き攣った悲鳴が上がった。凄まじい圧迫感が苦しくてたまらない。限界まで引き伸ばされた入口が熱く腫れ上がり、初めて男を受け入れた肉筒がぶるぶる震えている。
「ほら、全部入った。わかるか、夏樹?」
「わ、……わかります、けど……」
「よしよし、いい子だな。じゃあちょっとこの辺を……」
「あ、あ……あぁ、あっ」
楔を突っ込まれたまま、身体を軽く揺すぶられる。硬いものが柔らかな襞に当たり、痒いところを擦られて変な声が出てしまった。鼻にかかった声がやたらと煽情的で、これが自分の発している声だとはにわかに信じられない。
「どうだ、よくなってきただろ? いい声出てるぞ、夏樹」
「そ、なことない……っ」
「そんなことあるって。なんなら録音して聞かせてやろうか?」
「なっ、何言ってるんですか! 先生、バカなんじゃ……ああっ!」
そう怒鳴り返したら、市川は笑いながら腰をぐりぐり回して来た。
「冗談だって。そんな証拠が残るようなことしないよ。バレたら大変なことになるし」
「っ……は……あぁっ!」
「今日の補習は、俺たちだけの秘密だ。だろ?」
「で、でも先生は……こういう補習、誰にでもやってるんでしょ……?」
「は? なんで?」
「だってトイレであんなことしてるし……というか、先生……ゲイですよね……うっ」
市川の先端が腹の底に当たる。
熱いし苦しいし、いい加減解放して欲しい。こんなの「補習」でもなんでもないじゃないか。結局この教師は、運動苦手な生徒相手に性欲処理を行っているだけなのだ。「成績」を盾にして気に入った生徒を犯しているだけなのだ。
恨みがましく彼を睨みつけると、市川はこんなことを言い出した。
「なんかいろいろ誤解してないか? 最初に断っておくけど、俺はゲイじゃないぞ」
「……え?」
「補習は時々やってるけど、こういうことはしてないよ。他の生徒には普通の授業っぽい補習をやってる。いくらなんでも毎回こんな補習やってたら、俺はとっくにクビになってるだろうし」
それを聞いて、夏樹は思わず首を持ち上げた。
「う、嘘だ……! じゃあなんで先生、生徒とトイレであんな……。こんな風に、性欲処理をするためじゃ、ないんですか……っ!?」
「性欲処理とか人聞きが悪いな。確かに俺はよくトイレに出没するけど、お前以外の生徒と個室に籠もったことは一度もない。好きでもない相手に欲情するほど見境ないヤツでもないし、浮気とか遊びとかそういうこともしたことないんだからな。こう見えて一途なんだぞ、俺は。あ……ちなみに、今まで付き合ってきた子は全員女の子な」
「そん……なの、信じられない……!」
「なんでだよ? 俺、そこまで上手い嘘つけるほど頭よくないんだけど」
……それは確かにその通りだと思う。
「じゃ、じゃあ……なんで俺を……? ゲイじゃないなら、なんで……」
「んー……」
すると市川は少しだけ動きを止め、にこりと笑った。
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