30 / 282
性活指導編『第11話*』
「ったく……しょうがないな。じゃあ……」
「あ……っ」
一度剛直を引き抜かれ、くるりとうつ伏せに押さえ込まれる。そして高々と尻を抱え上げられ、
「無理にでも喘いでもらうか」
「ひッ……あ!」
後ろからズン、と欲望をねじ込まれてしまう。そのまま腰を強く叩きつけられ、激しさのあまり自然と唇から喘ぎ声が漏れる。
「あっ、はあ……ああ、あ……あぁん!」
「そう、その調子だぞ。我慢してるお前もいいけど、喘いでる方が俺は好きだな」
「あぁ……ちょっと待っ……激し……っ!」
「あれ? 激しくして欲しいんじゃなかったっけ?」
「そ、なこと言ってな……あ、だめ……またイっちゃ……ああぁっ!」
快感の波に呑み込まれ、夏樹はガクンと大きく身体を震わせた。絶頂特有の甘い痺れが全身を満たし、細かい痙攣が止まらなくなる。
尻を突き出したままぐったりとベッドで荒い呼吸を続けていると、
「お? すごいぞ、夏樹」
「は……あ、何が……?」
「ほら、出してない」
と、硬いままの陰茎を握られ、夏樹はハッと息を呑んだ。
言われてみれば、確かに射精した感覚はなかった。でも絶頂と同じ快感はあった。
これって一体どういうこと……?
「ドライオーガズムってやつだな。知ってるか?」
「し、知りません……」
「射精なしでの絶頂だよ。健康な男でもたまに起こり得る。前立腺を攻められると特にな」
「な……っ!?」
「要するに、後ろだけでイけるようになったってことだ。さすが夏樹、偉い偉い」
「ち、違っ……! 俺はそんな風になりたくな……うわっ!」
力の入らない身体を抱き起こされ、市川の膝の上に座らされる。市川と繋がったまま抱き締められ、不覚にも胸が高鳴った。
ともだちにシェアしよう!