107 / 282
文化祭編『第13話』
「く……っ」
もどかしさが募り、上半身だけ起こして壁に手をついた。壁伝いならなんとか歩けるだろうと思ったのだが、脚の痺れは意外と強烈で、一歩進んだところで再び転倒してしまう。
「大変そうだね、なっちゃん」
と笑いつつ、翔太が平然と立ち上がる。
「それじゃ、僕はお先に失礼するよ」
「えっ!? ちょ、ちょっと待って! なんで翔太は平気なんだ!?」
「んー、僕は比較的正座慣れてるからさ。うち、未だに食事は畳のちゃぶ台でとってるんだよね」
「えええ!?」
それじゃあ痺れなくて当然だ。
ずるい! うちには畳の部屋すらないのに!
「市川先生、どうもありがとうございました。なっちゃん、またね~」
「あっ、ちょっと翔太! 置いてかないでよ!」
夏樹が止めるのも聞かず、翔太はさっさと茶室を出て行ってしまった。
(ヤバい……どうしよう)
これで密室に変態教師と二人きりになってしまった。逃げ場なんてないし、そもそも今夏樹は脚が痺れて動けない。
「よし、やっと二人きりになれたな」
案の定市川は道具の片付けそっちのけで、動けない夏樹に覆い被さってきた。
「や、やだ……っ! 来ないでくださいよ!」
「なんで? せっかくだからここで一発ヤっていこうぜ」
「先生は一発じゃ終わらないでしょ!」
袴姿でかっこよくキメていても、やっぱり中身は変態教師だ。これさえなければかなりの好青年なのに、なんでいやらしいことしか考えてないのだろう。
「あっ、いや……っ!」
ブレザーを剥ぎ取られ、感覚のなくなっている脚からズボンを引き抜かれる。そのまま下着まで脱がされて、あっという間に下半身を剥き出しにされた。
次いでシャツのボタンも外され、背後から抱え込まれるように畳に押しつけられてしまう。
ともだちにシェアしよう!