113 / 282
文化祭編『第19話*』
「あっ、あっ、あぁ……っ!」
ほんのりと畳の香りがする。下に敷かれている着物の匂いと混ざり合い、独特の催淫材となって夏樹の官能を刺激した。
学校の茶室で市川に抱かれる。普通に彼の自宅で抱かれるよりも、ずっといけないことをしているような感覚だ。保健室で挑まれた時もそうだったが、その背徳感がたまらなく興奮する。
俺はいつからこんないやらしい子になっちゃったんだろうな……と、ぼんやり天井を見上げた。自分の上で腰を動かしている市川が目に入った。
いや、俺のせいじゃない。全部この変態教師が悪いんだ。俺をこんな風にした責任はちゃんと取ってもらわなくちゃ……。
「あっ、あっ!」
凄まじい快感に襲われ、夏樹の思考はそこで停止した。
グリグリと腰を回され、いいところを刺激され、勃ち上がった先端から悦楽の証があふれ始める。
「あ……せんせ、もうだめ、イっちゃう……!」
「ああ、俺もだ。中に出すから、できるだけ漏らさないようにしろよ?」
「は、はいぃ……」
二、三度市川が強く腰を叩き付けてきた。直後、腹の奥で彼の熱が爆発した。
その刺激に耐えられず、夏樹もまた白濁を噴き上げた。腹の内側と外側で、それぞれの熱いものが飛び散った。
「っ、く……」
ずるりと肉の楔を引き抜かれ、夏樹は慌てて肛門を閉めた。どうにかこうにか、漏らさずに済んだようだ。
「お前はホントに偉いな。努力家だし、言われたことをキチンと守る。これだから手放せなくなっちゃうんだ」
「……先生の教育の賜物でしょ」
と、ちょっと嫌味を言ってやった。
「ところで先生……俺にお茶、教えてくれますか?」
「ああ、いいよ。お前がやりたいんだったらいつでも教えてやる」
夏樹は満足げに微笑んだ。
文化祭が終わり、期末テストも終わったら冬休みに入る。冬休みになれば時間もできるから、その時にでもお茶のお稽古をつけてもらおう。
そう、冬休みになったら……。
ともだちにシェアしよう!