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文化祭編『第18話*』

 その時だった。 「っ……?」  不意に、外からパキッと枝が割れる音が聞こえた気がした。  何かと思い、夏樹は障子窓の外に目をやった。特に人影も見えないし、誰かがいる気配もなさそうだ。 「どうした、夏樹?」 「え? あ、いや……」  市川が訝しげにこちらを見つめてくる。先程の音に気付いた様子はなかった。 (気のせいかな……)  きっと風か何かで枝が折れたのだ。そうに違いない。今は文化祭中だし、こんなところに誰も来ないだろう。 「あっ……!」  両足を抱えられ、脚の付け根から身体を半分に折り畳まれる。太ももの間から市川の姿が見えた。  引き締まった尻を両手で割られ、奥に潜んでいる窄まりを露わにされる。そして大きく膨張した欲望を入口に擦りつけてきた。 「んっ、んっ……」  まだ挿入されていないのに、その先の快感を期待して蕾が勝手にひくひく収縮してしまう。自分自身も早く市川が欲しくて、無意識に腰をくねらせてしまった。 「じゃあ、そろそろ挿れるからな? いっぱい感じてくれよ?」 「っ……」  小さく頷いた次の瞬間、市川のものがぐぐっ、と押し入ってきた。 「あっ……ああぁあっ!」  衝撃にまたイきそうになり、必死に唇を噛み締めた。  間髪を入れず腰を動かされ、夏樹はぶるぶる全身を震わせた。  小刻みに腹の奥を突かれたかと思うと、ゆっくりと楔を引き抜かれ、入口付近を刺激された後、一気に最奥まで貫かれる。 「んっ、ふっ……うう、ん……あぁあ」 「どうだ、夏樹? 気持ちいい? 御服加減はいかがですか?」 「あ、た……大変、結構で……ございま……あぁん!」 「うん、いいぞ。やっぱりお前は物覚えがいいな」  ほとんど反射的に答えてしまったのだが、そう褒められて悪い気はしなかった。

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