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春休み編『第23話*』

「っ!? 待って先生、今挿れたら……!」 「ごめん、無理。今日の俺はどうもセーブできなくてさ。まあ夏樹なら、全部受け入れてくれるよな?」 「え? ちょ、うそ……あっ……!」  脚の奥にじりじり体重をかけられる。案の定、夏樹の秘蕾はいとも簡単に口を開け、ずぶずぶと市川を飲み込んでしまった。 「あぁっ! あぁぁん!」  挿入された衝撃にビクンと腰が跳ね上がる。一瞬意識が遠くなり、がくがくと全身が痙攣した。また出さないまま昇り詰めてしまったんだな、と経験で悟った。 「ふふ……お前、挿れられる瞬間が一番感じるんだな。そういうエロいところ大好きだよ」 「は……はひ……」 「ホントに可愛い、夏樹」  軽くこめかみに口づけられ、晴れやかな笑みを向けられる。  その笑顔についキュンとしてしまい、無意識に内襞を締めてしまった。市川の硬さがまざまざと伝わって来て、筋立った血管まで感じ取ることができる。 (俺、ホントに先生と繋がってるんだ……)  短いようで長い三ヶ月だった。下手したらあのままお別れだったかもしれないけど、なんとか関係を修復できたのだ。  多分、真田家の人からはいろいろ言われるだろうけど、一番辛いことを乗り越えられたのだから、この先もなんとかなるような気がする。 「んっ、く……ふ、うう……あぁ、先生……っ!」  市川が腰を動かし始めたので、夏樹も鳴きながら彼の背中に手を回した。  先程からイきっぱなしだ。気持ちよすぎて身体の震えが止まらない。自分でもはしたないと呆れるものの、それ以上に幸せで小さいことはどうでもよくなってくる。 「せんせ……あぁっ、いい……!」 「夏樹……もう一度言ってくれよ、『好き』って……」 「そ、れは……先生が浮気しそうになったら、また言ってあげます……っ」 「なんだよぉ……それじゃ、もう一生聞けないかもしれないじゃん。もったいぶらないで言ってくれよ」 「いや、です……っ!」  夏樹は返答の代わりに、市川の腰に両脚を絡めた。  もう二度と離れないように、深く深く……。

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