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最終話

「お父さん…お父さん!どうしたの?」 「ん?あ、あぁ、ごめん。昔の知り合いかなって人を見かけたんだ。」 「知り合い?どこ?お友達お話しなくて良いの?」 「いいの。お父さんが行ったらまた迷惑かけちゃうかもしれない。それに…もうあの人の匂いも、分からなくなってたし……。」 「におい?においで分かるの?」 「たまーにね。そういう人が居るんだ。」 「へー。」 「でも良かった。話は出来なかったけど幸せそうな姿を見ることが出来て…。ずっと、心配してたんだ。彼のこと。」 「なんで?変なバイバイしちゃったの?」 「うん。バイバイも言えなかった…。」 「なんで?」 「うーん。なんでかなー?」 「分からないの?お父さんにも分からないことがあるの?」 「いっぱいあるよー。」 「じゃあ将来僕は『はかせ』になってお父さんを助けてあげる!」 「本当?ヒーローレッドは良いの?」 「ヒーローレッドではかせなの!」 「そっかそっか。楽しみだなー。あ、ヒーローレッドのショー始まるよ!行こうか。」 「うん!」 end

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