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第139話

どんな言葉を言えばいいのか、どんな風に話せばいいのか。 あくまでも他人というポジションの俺は真咲に何をどう伝えればいいのか分からない。 …そもそも伝えた方がいいのか…。 それに、俺の存在について… …真咲は…どう感じでいるのだろう。 「真咲はさ…俺の事……ん?」 じっとしている真咲の体の重みが増し、真咲の顔を覗き込むと目を閉じていた。 「まだこんな時間だしな」 太陽がまだ姿を見せきらない早朝。 きっと昨日…いや、今日眠りについた時間も遅かったのだろう。 アルバムのページをゆっくりと捲って気づく。 肩から広がっていく体温が…愛おしい。 自分の子供ではないのに、大切に想い時間を共有するとこうも愛情が湧くのか。 でも人生の中、子供でいられる時間は短い。 「ふふ…」 もう少しだけ子供に寄り添う立場を楽しませてもらおう。 俺は二冊目のアルバムを手に取った。 「本当に良かったのか?」 「本人が行くって言ったんだ、大丈夫だろ」 深夜まで涼真と真咲は話し合って疲れてるだろうからと学校を休ませようとしたのに…真咲は登校すると言って出かけてしまった。 リビングで涼真と二人、向かい合ってお茶を啜る。 きっと話は長くなるからと思い、俺は昨日のうちに涼真に連絡を入れた。 “ 真咲が真実を知りたいって ”そう一言スマホにメッセージを入れたんだ。 涼真は上長に掛け合って、今日は有給を取得。 真咲とゆっくり向き合うと思ってたのに…。 「話し合いって言っても、事実を話しただけ」 「分かってくれたかな?」 「…どうだろう。…多分…」 見た目は落ち着いているようだが…実の所はどうだろう。 きっと不安になっているはず。 涼真はテーブルに置いた手を強く握りしめて指が白くなっていた。

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