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第140話

「真咲は勘がいい子だから何となく分かってたみたいだな」 ただ黙ってお茶を飲むのもいたたまれない雰囲気になり、俺は涼真にそっと話し掛けた。 「…うん」 「そもそも涼真と真咲の血液型が理科で習う遺伝に逆らってるしさ…」 「……うん」 「遅かれ早かれ…この日が来るんだし…あ、もう来ちゃったか」 「……」 暗い雰囲気を崩そうと話しかけるも涼真の視線はどこか遠くを見ているようで心ここに在らずといった風だ。 「…はあ…。涼真、ちょっと俺の部屋に来てよ」 「…何?」 「いいから」 イスから立ち上がり俺は涼真の腕を取った。 そして気乗りしない涼真を半ば強引に自室に連れ込んだ。 「ここ、座って」 「…うん?」 涼真をベッドに座らせて俺は涼真にぴったりくっ付くようにその隣に腰を下ろした。 「ほら!俺に甘える!」 「…え?」 「いいから!早く!」 横から涼真の身体を抱き締め、左手で髪をまぜた。 「ほら、泣いても笑っても怒ってもいいから、な」 「何すんだ苦しいし髪!ぐちゃぐちゃになる」 「ほ〜ら、これでどうだ!」 身を捩って俺から逃げようとする涼真の頭を胸に抱えた。 逃がさない。 俺は涼真を二度と離さないって決めてんだ。 たった一人で抱え込んで苦しまないでくれ。 そんな姿を見るのは辛いんだ。

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