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神様がもし許してくれるなら彼の側にいたい
底抜けに明るい結お姉さん。
まだ姉じゃないだろうって和真さんが苦笑いを浮かべていた。
ーーどう?うちの和真ーー
(そんな急に聞かれても………)
ーー姉想いのいい子なのよ。夜ご飯準備して待ってるから、もっと話を聞かせてくれる?四季くん、和真にちゃんと連れてきてもらってねーー
それだけ言うと一方的に電話を切ってしまった。
「夜中に姉からメールが来て、寝惚けててうっかり四季が隣で寝ているって返信したんだよ。何を勘違いしたのか、赤飯炊かないとっていきなり言い出して。ごめんな、変な姉で」
「ううん。面倒見のいい、素敵なお姉さんだと思います」
「そうか?」
「はい」
にっこりと笑って返すと、
「四季、どこか行きたいところはある?」
照れているのかな?
目を逸らされてしまった。
「急に言われても困るか。それじゃあ、取り敢えず散歩にでも出掛けようか?俺、車椅子を押したい」
いいですって断ろうとしたけれど、嬉しそうに笑う彼を悲しませたくなくて、お願いしますって頼んだ。そしたら、
「やった!」小さくガッツポーズされてしまった。
段差がある玄関は彼に手伝ってもらい後ろ向きで下りてそのまま廊下に出ると、ひんやりとした空気にぶるっと身体を震わせた。
「天気はいいけどちょっと寒いかも知れないな」すぐに気付いてくれた彼が着ていた上着を脱いで膝に掛けてくれた。
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